折りたたみスマホiPhoneDuo 高値転売で60万円!?
元証券マンのファイナンシャルプランナーが3本のニュースを解説する。中国が2030年までに原発15基分の太陽熱発電設備を整備しようとしているが、鳥の焼死・コスト高・人権問題など欧米が撤退した理由がそのまま課題として残る。国内では36万円台で発売されたアップル初の折りたたみiPhone「Duo」がメルカリで60万円超の高値転売を記録し、AI投資を続けるメタやオラクルのCDS保証料率が過去最高水準に達するなど、金融市場でも不安の芽が広がっている。
この回が答えていること
太陽熱発電とはどのような仕組みで、太陽光発電と何が違うのか?
1万枚以上の反射鏡が太陽の動きに追従しながら光を中央の塔上部タンクへ集中させ、200度以上で溶ける特殊な溶融塩を500度まで加熱。その熱で蒸気を作りタービンを回す。太陽光パネルと異なり熱を蓄えられるため、日没後最長11時間発電を継続できる。
中国が太陽熱発電を推進している一方、欧米が撤退・休止した理由は何か?
ソーラーパネルとバッテリーが急速に安くなり相対的にコスト高となったこと、鏡の反射で鳥が焼死する環境被害、塔260mからの強烈な眩しさ(10km先から目視可能)、溶融塩の漏れ・凝固トラブルが重なり、アメリカ・スペインはほぼ撤退・休止状態にある。
アップル初の折りたたみiPhone「Duo」はなぜ発売直後に60万円超で転売されているのか?
16日の予約開始直後に世界中で注文が殺到し国内在庫が払底したため。直販36万4800円に対し品薄プレミアムが乗っており、メルカリのスクリーンショットでは60万円前後の成約例が確認されている。アップル製品は下取り価格が高い傾向があり、転売益を狙う購買層が存在する。
AI向け設備投資の急拡大でテック大手各社のキャッシュフローはどう変化したか?
メタの2026年7〜9月期フリーキャッシュフローはAIデータセンター投資によりマイナス21億ドル(約3000億円)と、1年前のプラス106億ドル(約1兆6000億円)から急悪化。グーグルも設備投資がキャッシュフローを上回りマイナス転落。NVIDIAも前四半期比で営業キャッシュフローが約半分に減少している。
CDS保証料率の上昇はAI関連企業の何を示しているか?
社債が返済不能になった際の保険商品であるCDSの保証料率が上昇するほど、市場がその企業の破綻リスクを高く評価していることを意味する。メタは1.1%超(過去最高)、オラクルは3%超(6月比約2倍)、ソフトバンクグループは4.2%超、AIクラウド企業コアウィーブは10%超に達しており、元本の10分の1を毎年保証料として払う水準は実質的な危険域とも言える。
太陽熱発電の仕組み——太陽光との根本的な違い
太陽熱発電(CSP)は、1万枚以上の反射鏡が太陽の動きに合わせて角度を変えながら、中央に建つ1本の塔の最上部タンクへ光を集中させる。タンク内には200度以上にならないと溶けない特殊な溶融塩が入っており、最高500度まで加熱される。この熱で水を蒸発させ、タービンを回して発電する仕組みだ。500度まで蓄熱するため冷めにくく、日没後も最長11時間は発電を継続できる点が最大の特徴である。
中国が本格推進、欧米が撤退した理由
中国はこの方式を2030年までに原発15基相当の規模まで拡大する計画を打ち出した。今年着工した設備はサッカー場518面相当という世界最大規模で、北緯45度(日本の宗谷岬付近に相当する寒冷地)への建設計画もある。
一方、アメリカ・スペインはすでにほぼ撤退・休止状態だ。理由は主に三つ。①ソーラーパネルとバッテリーが急速に安くなり、太陽熱は相対的にコスト高となった。②鏡の反射熱で鳥が焼死する環境被害や、260m級の塔から10km先でも目視できるほどの眩しさによる航空機への影響が問題視された。③溶融塩の漏れや、200度を下回ると凝固するため常時加熱が必要という取り扱いの難しさがある。
建設地域として名指しされているのはチベット(ラサ)とウイグルだ。BBCがドローン映像で報じた強制連行の疑いが持たれる地域での大規模開発であり、人権上の懸念を指摘している。
アップル初の折りたたみiPhone「Duo」と転売市場
アップルは10月23日、iPhoneシリーズ初の折りたたみスマートフォン「iPhone Duo」を発売した。直販価格は36万4800円から。折りたたみ時5.4インチ、展開時7.6インチで、iPad mini(8.3インチ)とほぼ同等の画面サイズになる。
16日の予約開始直後から世界中で注文が殺到し国内は品薄が続く。発売1週間前からメルカリに大量出品され、60万円前後の成約例もスクリーンショットで確認されている。米国価格は1,999ドル(約31万2,555円)で、消費税を加味すると日本との差は縮まるが、米国の平均年収が日本の約2倍であることを踏まえると日本人の割高感は大きい。
「何日働けば買えるか」で試算すると、正社員男性(平均年収623万円、手取り日額約1万9,000円)で19日分、非正規労働者(平均年収210万円、手取り日額約6,800円)では54日分(2カ月超)かかる。なお今年から法人の一発経費処理上限が40万円に引き上げられたため、36万円台のDuoは法人経費購入の対象になりやすいとも指摘した。
競合のサムスンGalaxy Z折りたたみシリーズは11〜25万円台。折りたたみ式は蝶番部分が傷みやすいという構造上の課題も残る。
AIバブルの亀裂——キャッシュフロー悪化とCDS保証料率の急上昇
10月23日の東京市場で日経平均は前日比214円安の62,693円(取引中に一時1,400円超安)、ナスダックも2.6%下落した。発端はメタが打ち出した巨額のAI投資計画への市場の懸念だ。
メタの2026年7〜9月期フリーキャッシュフロー(営業キャッシュから設備投資を引いた手元資金)はマイナス21億ドル(約3,000億円)。1年前はプラス106億ドル(約1兆6,000億円)だったため、劇的な悪化だ。グーグルも設備投資がキャッシュを上回りマイナスに転落。プラスを維持しているのはマイクロソフトとアップルのみだが、マイクロソフトもプラス幅が縮小している。
NVIDIAには各社の設備投資資金が大量に流入しているはずだが、直近四半期の営業キャッシュフローは前四半期比で約半分に減少。代金回収の遅延に加え、OpenAIなどへの出資資金がNVIDIA製品の購入に充てられる「循環取引」の構造も指摘されている。
市場が警戒し始めたのはCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の保証料率だ。社債の返済不能リスクをヘッジする保険商品で、料率が上がるほど破綻リスクが高く評価されていることを意味する。メタの5年物CDS保証料率は1.1%超と過去最高水準。オラクルは3%超(6月比約2倍)、ソフトバンクグループは4.2%超、AIクラウド企業コアウィーブは10%超——1,000万ドルの社債に対し年間保証料が100万ドルという水準だ。CDSは銀行間の相対取引で個人が直接売買できる商品ではなく、ISDA(国際スワップデリバティブ協会)への登録が必要な高度な金融取引である。株式市場はまだ楽観的な雰囲気が残るものの、水面下でリスク指標の悪化が進んでいる。
この回の要点
- 中国の太陽熱発電は日没後も11時間発電できる蓄熱が強みだが、コスト高・環境被害・人権問題で欧米が撤退した課題をそのまま抱えて強行している
- アップル「iPhone Duo」は直販36万4800円が転売60万円超で流通。非正規労働者の平均給与換算で54日分に相当する価格だが品薄プレミアムが需要を支えている
- メタのフリーキャッシュフローが1年でプラス1兆6000億円からマイナス3000億円へ急転し、コアウィーブのCDS保証料率が10%超に達するなどAI投資の持続性に市場の不安が高まっている
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。