須田慎一郎「2年目を迎えた高市政権!ここからの課題は?」「衆議院本会議で消費税減税法案が審議入り!」「トランプ大統領、米中露の3カ国首脳会談に意欲!」10月22日
高市早苗政権が発足から1年を迎え、2年目の課題を整理する。衆議院本会議では1989年の消費税導入以来初めての減税法案が審議入りし、参議院通過に向けた公明・国民民主との駆け引きが焦点となっている。国際面ではトランプ大統領が米中露3カ国首脳会談に意欲を示し、ウクライナ・イランの未解決問題を抱えた「レガシー作り」の思惑が透けて見える。
この回が答えていること
高市政権は1年間をどう乗り越え、支持率はどの水準にあるか?
支持率は50%前後を維持しており、政権発足1年時点としては過去政権と比較しても高水準。自民党総裁選で派閥の後ろ盾なく地方票(党員・党友票)を制した基盤と、今年2月の総選挙で単独3分の2超を獲得した圧勝が政権の強さの原動力となっている。
大臣スキャンダルが相次いでも支持率が大幅に下がらないのはなぜか?
SNSや政治家本人の直接発信が普及したことで、スキャンダルに反論・文脈を加える情報が流通しやすくなったため。農水大臣交代劇では選挙区内の政治的争いという背景が広まり、かつての文春砲→ワイドショー→支持率急落という連鎖が起きにくくなっている。
消費税減税法案が参議院を通過するうえで最大の障壁は何か?
参議院で与党連立は過半数を4議席下回っており、日本保守党の2議席が賛成方向でもなお2議席不足する。自民党内からの造反(欠席・退席)が出た場合にさらに厳しくなるため、国民民主党か公明党の協力を取り付けられるかが最大の焦点。
公明党・国民民主党は消費税減税法案に賛成するのか?
どちらも「全面否定」ではない。公明党は中低所得者への物価高対策という目的に共感しており、プロセスの修正で折り合う余地がある。国民民主党も「手取りを増やす」路線は一致しており、消費税減税にプラスアルファの条件を加える条件闘争に入る可能性が高いと須田氏は見ている。
トランプ大統領が米中露3カ国首脳会談に前向きな姿勢を示す狙いは何か?
須田氏は「レガシー(遺産)作り」と表現した。ロシア・ウクライナ戦争の終戦とイスラエル・イラン戦争の決着という2つの未解決課題をなんとか成果に結び付けたいトランプ氏の焦りが背景にある。中間選挙の見通しが「負け幅をどれだけ抑えるか」の段階まで悪化しており、残り任期のレームダック化を防ぐ狙いもある。
高市政権1年目の通信簿と地盤の強さ
高市早苗総理は政権発足から1年を迎えた機会に、「公約を一つずつ着実に実現することが使命」と振り返り、2年目も物価高対策を中心に重要政策に取り組む方針を示した。各社の世論調査では支持率は50%前後を維持しており、コメンテーターの須田慎一郎氏は「政権発足1年時点としては過去政権と比較しても高水準」と評価する。
高市政権の支持基盤の特徴は、派閥の後ろ盾を持たずに自民党総裁選を制したことにある。昨年10月の総裁選では小泉進次郎氏が当初最有力候補とされていたが、高市氏は党員・党友票(地方票)で圧倒的な支持を集めて逆転した。その勢いは今年2月の総選挙にも波及し、自民党は単独で3分の2超の議席を獲得。擁立候補が不足して連立相手の日本維新の会に十数議席を割り当てるほどの圧勝だった。須田氏によれば、高市総理は公約を一覧表に整理し実現済みのものにチェックを入れているという。
スキャンダルが支持率を直撃しにくくなった構造変化
農林水産大臣の問題発言をめぐる辞任と後任大臣への予報献金疑惑が浮上したが、支持率への影響は限定的だった。須田氏はYouTubeチャンネルで共演する元衆議院議員・宮崎謙介氏(10年前に不倫疑惑で議員辞職)のエピソードを引き、当時は安倍政権で7ポイント下落したと紹介しつつ、「今回は問題の規模が大きいのに支持率はそれほど動かなかった」と指摘した。
その理由として須田氏が挙げたのは、①農水大臣の選挙区内でのどろどろした政治的争いという背景情報がネットで広まったこと、②SNSや政治家本人による直接発信が普及し、文春砲→ワイドショー→支持率急落という10年前の連鎖が機能しにくくなったことの2点だ。今後の支持率維持には景気・経済回復の「実感」が最重要と须田氏は分析し、所信表明演説の約6割を経済対策が占めた背景もそこにあると語った。
消費税減税法案——衆議院は通過見込み、参議院が関門
飲食料品の消費税率を1%引き下げる政府提出法案と、所得に応じた給付制度(給付付き税額控除)に関する法案が10月20日午後、衆議院本会議で審議入りした。1989年の消費税導入以来、国会が減税を審議するのは初めてであり、政府与党は12月12日の会期末までの成立を目指している。
衆議院では自民・維新の連立が3分の2超を確保しているためスムーズな通過が見込まれる。問題は参議院だ。連立は過半数を4議席下回っており、日本保守党の2議席が賛成方向を示しても2議席不足する。さらに自民党内からの造反(欠席・退席)が出れば状況は一層厳しくなる。
須田氏が「最大の注目ポイント」と表現するのが公明党と国民民主党の動向だ。公明党幹部との電話では「中低所得者層の物価高対策」という目的には共感しており、プロセスでどう修正するかが焦点と確認したという。国民民主党も「手取りを増やす」方向性は一致しており(高市政権発足時のガソリン暫定税率廃止はその象徴)、消費税減税を認めたうえで追加条件を求める条件闘争に入る可能性が高いと須田氏は読む。
法案には2年後に給付付き税額控除が導入されると同時に消費税率が8%に戻るという仕組みも含まれており、その際の給付上積みの規模をめぐる調整も今後の焦点になる。財源論については「消費税減税分は税収の上振れ分で賄い、成長分野への投資は将来の税収増で返済する複数年度主義の考え方を採る」と政府サイドは説明しているが、両者の財布を明確に分けられるのかをめぐり野党からの追及は避けられないと须田氏は見る。心理的効果としては、スーパーの「消費税減税還元セール」が普及すれば物価下落の空気を作る効果もあると指摘した。
トランプ米大統領、米中露首脳会談に意欲——「レガシー作り」の焦り
トランプ大統領は10月19日、プーチン大統領と習近平国家主席との3カ国首脳会談に前向きな姿勢を示した。主な議題として核兵器・非核化を挙げており、プーチン氏がウクライナ情勢を議題に加えた首脳会談を提案していたとも報じられている。
須田氏はこの動きを「完全にレガシー(遺産)作り、思い出作り」と表現した。トランプ政権には①ロシア・ウクライナ戦争の終戦仲介、②イスラエル・イラン戦争の決着という2つの「やり残し」があり、平和をもたらした大統領として歴史に名を残したいという強い動機があるという。ただ両案件とも見通しは立っておらず、須田氏は「相当な焦りがある」と語った。
中間選挙の見通しについては「共和党がどれだけの負け幅に収められるかという段階に入ってきた」と须田氏。残り2年のレームダック化が現実味を帯びる中で、プーチン・習近平両氏も「付き合うからには自分たちのメリットが必要」と慎重に値踏みしている構図だと分析した。ワシントンの現地の空気は「ポストトランプ」を意識した空気が漂い始めているという(文字起こしはここで終了)。
この回の要点
- 高市政権は地方票と2月総選挙の圧勝を基盤に支持率50%前後を維持し、スキャンダルへの耐性も高まっているが、景気回復の実感を示せるかが2年目の最大の課題
- 消費税減税法案は衆議院通過は確実視される一方、参議院での4議席不足を補うために公明党・国民民主党との条件闘争が今後の焦点
- トランプ大統領の米中露首脳会談提案はウクライナとイランという2つの未解決紛争を任期中に決着させたいレガシー作りが背景で、中間選挙での苦境が焦りを加速させている
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。