# ポッドキャストの機材の選び方|マイクから部屋まで > ポッドキャストの機材は「何人で、どこで、どう録るか」を決めてから選ぶと迷いません。防音されていない部屋ならダイナミックマイク、1人ならUSB、複数人ならXLRとオーディオインターフェースが基本です。そして音質は機材だけでなく部屋の響きで大きく変わるため、先に環境を整えることが近道です。 公開: 2026-10-24 / 更新: 2026-10-24 / https://podc.club/guide/equipment.html ## 機材より先に決めること 機材選びで迷う人の多くは、「何人で、どこで、どう録るか」がまだ決まっていません。1人で自宅から話すのか、2〜3人で同じ部屋に集まるのか、離れた相手とオンラインでつなぐのか。これが決まると、必要な機材はかなり絞られます。 もうひとつ大事なのは、**音質を決めるのは機材だけではない**ということです。マイクと口の距離、部屋の響き、話す人の声量のそろい方で、仕上がりは大きく変わります。高い機材を買う前に、録る環境を整えるほうが効果が大きいことも珍しくありません。番組の形がまだ固まっていない場合は、先に[ポッドキャストの企画の立て方](https://podc.club/guide/podcast-planning.html)を読んでおくと選びやすくなります。 ## マイクの選び方 ### ダイナミックマイクとコンデンサーマイク マイクは大きく2種類に分かれます。 - **ダイナミックマイク**:口の近くの音をよく拾い、離れた音は拾いにくい性質があります。エアコンの音や外の物音、部屋の反響が入りにくいため、防音されていない自宅や会議室で録るポッドキャストに向いています。 - **コンデンサーマイク**:感度が高く、声の細かいニュアンスまで拾えます。その分、周りの音や部屋の響きも入りやすいので、静かで響きの少ない部屋で使うのが前提です。 迷ったら、まずはダイナミックマイクから始めるのが無難です。環境の影響を受けにくく、多少の失敗があっても聞ける音になりやすいからです。 ### USB接続とXLR接続 接続方式も2種類あります。 - **USBマイク**:パソコンに直接挿せばすぐ使えます。1人で録る、手軽に始めたい、という場合に便利です。ただし、複数のUSBマイクを1台のパソコンで同時に使うのは設定が難しいことがあります。 - **XLRマイク**:オーディオインターフェースやミキサー、レコーダーを通して使う業務用の接続です。人数が増えても1本ずつ音量を調整でき、機材の組み替えもしやすいのが利点です。 USBとXLRの両方に対応したマイクもあります。最初は1人でUSB、あとで人数が増えたらXLRに切り替える、という使い方ができるので、将来の拡張を考えるなら選択肢に入れておくとよいでしょう。 ### 指向性 マイクには音を拾う向きがあります。ポッドキャストでは、正面の音を中心に拾う**単一指向性**が一般的です。1本のマイクを複数人で囲む使い方もできますが、声の大きさがそろいにくく、編集で苦労しがちです。**1人1本**が基本と考えてください。 ## マイク以外に必要なもの - **オーディオインターフェース**:XLRマイクの音をパソコンに取り込む機器です。マイクをつなぐ端子の数が、同時に録れる人数の上限になります。 - **ヘッドホン**:自分の声と相手の声を聞きながら話すために使います。音漏れしにくい密閉型が向いています。スピーカーで聞きながら録ると、その音をマイクが拾ってしまいます。 - **レコーダー**:パソコンを使わずに録音できる機器です。複数のマイクを直接つなげる機種なら、外での収録やパソコンのトラブル対策にもなります。 - **マイクスタンド・アーム**:マイクと口の距離を一定に保つために重要です。手で持つと、ノイズや距離のばらつきが出やすくなります。 - **ポップガード・ウインドスクリーン**:「パ行」などの破裂音や息がマイクに当たる音を和らげます。 - **ケーブル類**:XLRケーブルは予備を1本用意しておくと、収録当日の接触不良に慌てずに済みます。 ## リモート収録の機材と注意点 離れた相手と録る場合は、ビデオ会議ツールの音声をそのまま使うと、通信状況によって音が途切れたり圧縮されたりします。次のような方法で品質を保てます。 - **各自が手元で録音する**:それぞれが自分のマイクの音を手元で録り、あとで合わせる方法です。通信が不安定でも元の音質が残ります。 - **リモート収録用のサービスを使う**:各参加者の音声を個別に高音質で記録できるサービスがあります。 - **相手にもマイクとヘッドホンを用意してもらう**:パソコン内蔵のマイクだと、どうしても部屋の響きが入ります。ゲストには簡単な機材を送る、あるいは推奨機材を事前に伝えておくと安心です。 ## 部屋の音を整える 部屋の響きは、機材以上に仕上がりを左右することがあります。お金をかけずにできる工夫も多いです。 - **広くて硬い部屋を避ける**:壁や床がむき出しの部屋は声が反響します。カーテン、ラグ、本棚、ソファのある部屋のほうが響きにくくなります。 - **壁から少し離れる**:壁の正面で話すと反射音が入りやすくなります。 - **音の出るものを止める**:エアコン、換気扇、冷蔵庫、パソコンのファンなど。収録中だけでも止められるものは止めましょう。 - **吸音材を部分的に置く**:口の正面と背後に吸音材や厚手の布を置くだけでも、響きは変わります。 自宅や会議室で環境を整えるのが難しい場合は、スタジオを使うのもひとつの選択肢です。比べ方は[ポッドキャストのスタジオ収録](https://podc.club/guide/recording-studio.html)で詳しく紹介しています。 ## 段階別の構成例 予算や目的に合わせて、3つの段階で考えると整理しやすくなります。 ### 最小構成 - USBマイク(ダイナミック型)1本 - 密閉型ヘッドホン - マイクスタンドとポップガード - パソコンと無料の録音・編集ソフト 1人で話す番組や、まず試しに数本出してみたい場合に向いています。 ### 標準構成 - XLRマイク(ダイナミック型)を人数分 - 人数分の入力があるオーディオインターフェース - 人数分の密閉型ヘッドホン(分配器があると便利) - マイクアーム、ポップガード - 部分的な吸音材 2〜3人の対談番組を継続して出すならこの段階が目安になります。1人ずつ音量を調整できるので、編集の手間が減ります。 ### 本格構成 - 用途に合わせたマイク(静かな部屋ならコンデンサーも選択肢) - 多入力のミキサーまたはマルチトラックレコーダー - モニター用スピーカーとヘッドホン - 部屋全体の吸音・防音 - 動画も撮るならカメラ、照明、映像用の収録機材 ゲストを頻繁に招く、動画も同時に撮る、毎週複数本を録る、といった場合の構成です。ここまで来ると、自前で揃えるかスタジオを使うかの比較も必要になります。 ## 制作をまかせるなら 機材は「何人で、どこで、どう録るか」を決めてから選び、マイクより先に部屋の響きを整えるのが近道です。最小構成から始めて、番組が続く手ごたえが出てから標準、本格と広げていけば、無駄な買い物も減らせます。機材選びや収録環境づくりを含めて相談したい場合や、機材を揃えずに始めたい場合は、[Podcast制作のご相談](https://podc.club/production.html)からお問い合わせください。 ## よくある質問 ### スマートフォンだけで録音してもいいですか? 試しに録ってみるなら十分です。ただし内蔵マイクは周りの音や部屋の響きを拾いやすいので、続けて配信するなら外付けのマイクを用意すると聞きやすさが大きく変わります。 ### 初心者にはどのマイクがおすすめですか? 防音されていない部屋で録るなら、ダイナミック型のマイクが扱いやすいです。周りの音を拾いにくく、環境の影響を受けにくいためです。1人で始めるならUSB接続、将来人数が増えそうならUSBとXLRの両対応のものが便利です。 ### 2人で1本のマイクを使っても大丈夫ですか? 録れなくはありませんが、声の大きさや距離がそろいにくく、編集で調整しづらくなります。1人1本のマイクを用意し、それぞれ別に音量を調整できる形にするのが基本です。 ### 動画ポッドキャストには何が追加で必要ですか? カメラ、照明、映像を記録する機材が加わります。マイクが画面に映ることも考えて、マイクアームの配置や見た目にも気を配る必要があります。