オープニング - 大竹まことゴールデンラジオ!いまは日本チャートの100位圏外です
【小島慶子/武田砂鉄】2026年10月20日 ザ・マミィ林田への「無理があったよ」の真相/「帳の向こう」の話+ 今日のニュース(消費減税と公約/閣僚ら高級飲食「適正?」 )
ザ・マミィ林田のキング・オブ・コントの演技に大竹まことが「無理があったよ」と評した真相を語り、武田砂鉄がコントと文章に共通する「無理」の構造を論じる。続いてオードリー若林と哲学者・国分功一郎の対談本『帳の向こう』を軸にタイパ・コスパ社会の限界と次の価値観を議論。ニュースコーナーでは消費税減税をめぐる公約の是非について岡田克也・吉田徹・小黒一正ら識者3人の論点を紹介した。
この回が答えていること
大竹まことがザ・マミィ林田に『無理があったよ』と言った背景には何があるのか?
大竹はかつて自分たちが勝ち抜き番組に出た際、「3人看護婦」というベタなコントを持ち込んだところ担当者に『君たちらしくない』と言われた経験を持つ。その経験から「無理があるものはダメ」という評価眼を培っており、林田の演技にも同じ違和感を覚えたとして率直に語った。
武田砂鉄が語る『無理』という概念はコントや文章においてどのように現れるのか?
武田砂鉄は編集の現場での格言として「良いとされる表現を無理やり移植しているものは無理がある」という言葉を紹介。コントでも小説でも、書き手・作り手が「もうここで終わらせたい」と焦った瞬間に雑さや不自然さとして現れると分析し、推理小説のラストが粗くなる現象を例に挙げた。
若林(オードリー)と国分功一郎の対談本『帳の向こう』はどんな内容を扱っているか?
若林が新自由主義やタイパ・コスパへの違和感を素直な問いとして国分功一郎にぶつけ、国分が哲学的に応じる形式の数年分の対談集。若林が都市から離れた二拠点生活を始め、麦畑の広がる風景に驚くといったピュアな感覚が記録されており、大竹は「年ごとに若林が成長している」と感じたと語った。
タイパ・コスパ社会の問題点と、そこからの抜け道として何が語られたか?
若林自身がタイパ・コスパで生き残ってきた芸人であり、そこから抜け出したいが手段がわからないというジレンマが本のテーマになっている。三浦潤という芸人が「タイパ・コスパという言葉の頭に『青空』をつけてお笑い芸人の名前だと思ってやり過ごせ」というユーモア的な処方箋を提唱していることも紹介された。
消費税減税の公約をめぐって識者3人はどのような立場を示したか?
岡田克也は消費税減税を撤回し規模を絞った即時現金給付に切り替えるべきと主張。吉田徹(同志社大学)は「代理人型」と「代表型」の民主主義の違いを整理し、公約のみを根拠に政策を押し通すのは政治家の責務放棄と指摘。小黒一正(法政大学)は政府から独立した財政検証機関の創設を訴えた。
キング・オブ・コントとザ・マミィ林田への「無理があったよ」
番組冒頭、大竹まことは前日に出演したキング・オブ・コントの話題に触れた。大竹はザ・マミィ林田の演技について「無理があったよ」と評しており、武田砂鉄はその言葉を受けて「林田さんには自信と来てる感じがありましたけどね」と補足した。
大竹はその評価の背景として、自分が若い頃に勝ち抜き型のテレビ番組に出ていた時代のエピソードを披露した。ネタ切れに陥り、苦肉の策で「3人看護婦」というベタなコントを作って出たところ、当時の担当者から「君たちらしくない」と言われたという。別の機会には、静かなコントを披露した際に審査員から「動きが少ない」と指摘されたことも。「何十年前の話なのによく覚えているものだ」と大竹は述懐した。劇場で目当てにして来る観客とテレビ局に来ている観客の違いも大きく、「そこを読み切ることは何度やっても大変」とも語った。
「無理」という概念——コントと文章に共通するもの
武田砂鉄は自身の文章「書くとは何か」で触れた編集の格言を紹介した。新人の原稿を読む際、「良いとされる表現を自分の文章に無理やり移植している」ものや「難解な漢字を不自然に盛り込んでいる」ものは「無理がある」とすぐに見抜けると編集長に教わったという。
武田は「無理しちゃいけない」と「無理しなきゃ」の両方が書き手の中に同居していることの難しさも認めた。推理小説の終盤が急に雑になる現象も「もうここで区切ってしまいたい」という書き手の焦りが生む「無理」の例として挙げた。無理がバレたときの「恥ずかしさ」を大竹も共感し、コントでも小説でも、どこかに一つ「無理」があると作品全体の信頼が崩れると二人の意見が一致した。
若林(オードリー)と国分功一郎の対談本『帳の向こう』
今日のゲストに国分功一郎を迎えるにあたり、大竹と武田砂鉄が対談本『帳の向こう』を事前に読んだ感想を語り合った。数年にわたる対談を年ごとに収録した構成で、若林が一年ごとに少しずつ変化していく様子が読み取れると大竹は評した。
若林は「今いる場所ではなく別の場所に行きたいが、手段がわからない」という感覚を、哲学者の国分に対して素直でけなげな問いとしてぶつけ続ける。普段の芸人仕事では「ボケ・ツッコミで場を乗り切る」ことが求められ、まっすぐな問いを発しにくいが、国分との対話の場ではそれができるという。二拠点生活を始めた若林が「右は麦畑、左も畑」という風景に驚くシーンなど、都市の外に向かうピュアな眼差しが印象的だと大竹は語った。
本の帯には「ずっと夕日を眺めていてもいい」という若林の言葉が引かれており、タイパ・コスパとは対極の価値観を示す一文として話題になった。国分は対談の末尾で「新自由主義とグローバリズムはちょっと終わりを告げているのではないか。しかしただでは終わらないだろう」と述べており、大竹はその箇所を「とっても怖い」と感じたと語った。
タイパ・コスパ社会の行き詰まりとその先
桁外れの大富豪が人々の欲望を刺激してタイパ・コスパを搾取し巨富に変えているという構図を大竹が指摘。「欲望は資源だから、自分の欲望をあいつらに渡してなるものか、という気になる」と述べた。
小島慶子は、インバウンドの観光客が「日本は豊か」と感じているかもしれない一方、自分は「東京はせわしない」と思っているというズレを指摘し、旅人にしか見えない時間や空間があると語った。大竹は病気療養中に見たコスタリカのドキュメンタリーを紹介。千葉県ほどの面積でGDPも高くないにもかかわらず幸福度指数で世界的に評価されており、100歳を超える高齢者が元気に暮らしトウモロコシ中心の食生活を送る映像が、タイパ・コスパで疲弊する日本とは対照的に映ったと語った。
タイパ・コスパの呪縛から逃れたいと思いながらも「その脱出方法もタイパ・コスパで教えてくれ」と求めてしまうジレンマを武田砂鉄が指摘。三浦潤というお笑い芸人が「タイパ・コスパという言葉の頭に『青空』をつけてお笑い芸人の名前だと思ってやり過ごせ」というユーモアで突破する方法を提唱しているエピソードも紹介され、笑いを交えながらも「ふざけているけど大切なことを教えてくれる」と締めくくられた。
今日のニュース:消費税減税と公約の是非
朝日新聞オピニオン欄「口論」から、「公約は絶対なのか」というテーマで識者3人が論じた内容を大竹が紹介した。
**岡田克也**(現在は議員ではなく政治家の肩書)は「来年4月の消費税減税は実施すべきでない」と主張。2月の衆院選で自らの政党も食料品の消費税ゼロを掲げたが、その後の情勢変化で物価はあらゆる品目に上昇しており、コンパクトな即時現金給付に切り替えるべきだと述べた。「公約も、国民が納得できる説明のもとに撤回すべきは撤回するのが政党の責任」と訴えた。
**吉田徹**(同志社大学・政治学者)は、政治家を「国民の代理人」とみなす立場(公約をそのまま実現するのが役割)と「国民の代表」とみなす立場(議会での熟議を通じて具体策を決める)の違いを整理。選挙は国民投票ではなく、公約だけで政策の是非を選べるわけでもないため、財源や影響を考慮せず「公約だから」のみを理由に実行するのは政治家の責務放棄だと批判した。
**小黒一正**(法政大学・経済学者)は「独立財政機関」の創設を提言。政府から独立した専門家組織が経済財政を客観的に分析・評価することで、政策判断の土台を整える公的組織が必要だと論じた。
大竹は「公約を100%守るわけではないことはみんな分かっている。でも当選のために掲げるから有権者は振り回される」と感想を述べ、財政的判断と民意の間の難しさを問いかけて締めた。
この回の要点
- 「無理があるもの」はコント・文章を問わず見る者に伝わる——大竹まことと武田砂鉄が自身の経験と編集の格言を重ね合わせて語った共通認識。
- 若林(オードリー)と国分功一郎の対談本『帳の向こう』は、タイパ・コスパ社会の息苦しさを正直に問い続ける若林の姿を通じ、新自由主義の限界と次の価値観を哲学的に模索する内容になっている。
- 消費税減税の公約をめぐり識者3人はいずれも「公約だからで押し通すのは問題」という点で一致しつつ、現金給付への転換・代表民主主義の限界・独立財政機関創設と、それぞれ異なる処方箋を示した。
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。