# #34 「私、当時妊婦でした」 - Show: 朝井リョウ・加藤千恵 信頼できない語り手 - Published: 2026-09-25 - Canonical: https://podc.club/episode/1874531482_a2be2cabfa0f.html - Audio: https://traffic.omny.fm/d/clips/67122501-9b17-4d77-84bd-a93d00dc791e/119fad05-0faa-47c5-898b-b3e5005ceaac/1be86be8-bffa-450b-b876-b4d000644026/audio.mp3?utm_source=Podcast&in_playlist=418670c9-0dad-4937-80c6-b3e5005cef49 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 朝井リョウが出産間近の状態でDJ松永(クリーピーナッツ)と「ちいかわ」映画を観に行き、チケットのQRコードが3日前のものだったせいで映画館のゲートで立ち往生した顛末を語る。あわせて、映画をほとんど観ないまま雑誌の映画コラム「グレートシネマ」を1年近く担当していた告白と、ノンフィクションライター・前川さんが書いたちいかわ映画レビューへの絶賛が続く。リスナーからは、仕事終わりに暗がりでドブに落ちた設計師の話と、翌朝「落ちたドブを見てきました」と言いに来たお母さんのオチが届く。 ## この回が答えていること ### 朝井さんがNHKの番組生放送を見ながら『嘘がテレビに流れている』と感じたのはなぜか? 番組が「我こそが親友だという方から映像が届いています」と演出したが、実際は番組側がDJ松永に取材依頼し断られたという経緯があったため、朝井さんは生放送を見ながら事実と異なる演出だと感じ続けた。 ### 妊婦(出産間近)でちいかわ映画を観に行ったとき、映画館のゲートでどんなトラブルが起き、どう解決したか? 予約したQRコードがゲートで反応せず、電波不良かと移動した先が上映入れ替えの人混みで目立ってしまい、スタッフに確認すると3日前のチケットだったと判明。その場で当日分を取り直し、前方の席で無事鑑賞できた。 ### 映画をほとんど観ていないのに雑誌の映画コラム『グレートシネマ』を担当することになった経緯とは? 街行く人の平均より映画を見ていないと自認する朝井さんが担当することになり、初回原稿に呪術廻戦すら見ていないと正直に書いたところ、編集者から「コロナ並びに呪術廻戦」とコメントされ大幅な訂正が入った。 ### ノンフィクションライター・前川さんのちいかわ映画レビューはどのような内容で、なぜ朝井さんはそこまで絶賛したのか? ボーヴォワールの『第二の性』への言及から始まり、食と永遠の命を対比し、あるキャラクターの出自を独自に考察して現実の問題へ接続して締める内容。書き手に寄り添う監修で朝井さんを支えた人物でもあり、締め方に感嘆し絶賛した。 ### リスナーの36歳設計師のドブ落下エピソードで、お母さんはどんな反応をして笑いを誘ったか? 翌朝の散歩のついでに「あなたが落ちたドブを見てきました」と一言伝えてきたという、まるでオチを狙いに行くような反応で、朝井さんと加藤さんは大いに盛り上がり笑いを誘った。 ## 本文 ## NHK出演と「親友問題」 朝井さんが最近NHKの番組にゲスト出演した際、DJ松永(クリーピーナッツ)が友人としてコメントを寄せてくれた。ところが番組側が「我こそが親友だという方から映像が届いています」という演出をしたため、朝井さんは生放送を見ながら「嘘だ、嘘がテレビに流れている」と思い続けていたという。実際には番組がインタビューを依頼し、DJ松永から断りの連絡があったという経緯があった。 話はAスタジオのクリーピーナッツ特集回にも及ぶ。朝井さんが友人枠で出演したその回では、リモート参加した第三者とある音楽アーティストとの3人トークとなった。朝井さんは「そのアーティストと似ていると世界で一人だけ言っていた人がいた」という記憶が頭をよぎり、スタジオにいながら動揺していたと明かす。 ## 妊婦でちいかわ映画へ――QRコードの罠 今回のタイトル「私、当時妊婦でした」の核心エピソード。朝井さんは出産間近の状態でDJ松永を誘い、ちいかわの映画を観に行った。事前に朝井さんが予約し、2人で1枚のQRコードを共有するかたちで準備万端のはずだった。 当日の映画館は大盛況で、最大規模のシアターがほぼ満席。ゲートでQRコードをかざしたが一向に反応しない。周囲の客が次々と入場するなか2人だけ立ち往生し、電波が悪いのかと人の少ない通路へ移動した。タイミング悪くそこが映画の入れ替え時の「人間交差点」になってしまい、さらに目立つ羽目に。スタッフに確認してもらったところ、朝井さんが使おうとしていたのは「3日前のチケット」だった。スタッフに指摘されると朝井さんは思わず「ですよねー」と返してしまい、加藤さんから「ですよねーは一番おかしい」と突っ込まれた。その場で当日分を取り直し、前方の席になったが無事鑑賞。終映後は2人で焼き肉を食べ、DJ松永はちいかわにどっぷりハマったという。 ## 映画をほとんど見ていないのに映画コラムを担当 話題は映画評から広がり、朝井さんがかつて雑誌で「グレートシネマ」という映画コラムを半年以上担当していた告白へ。本人は「街行く人の平均より映画を見ていない」と自認する人物で、担当当初は呪術廻戦すら見ていなかった。初回原稿にその旨を正直に書いたところ、「コロナ並びに呪術廻戦」という編集者のコメントが返ってきて大幅訂正が入ったという。それでも連載期間中は試写状や試写DVDが届く環境に変わり、「この生活を続けていたら映画の人になれた」と振り返った。 ## 前川さんのちいかわ映画レビューが圧倒的に良かった 水野さんから紹介されたのが、週刊プレイボーイ8月号に掲載されたノンフィクションライター・前川さんによるちいかわ映画レビュー。前川さんは東大を中退後に人形劇団に入団し、スペインと韓国を自転車横断した経歴を持つ。朝井さんの小説の監修も担当した人物で、専門家のように「ここが違います」と訂正するのではなく、「あなたが書きたいことはこれだから、この表現ならほぼ書き直しが不要です」という書き手に寄り添う監修スタイルで連載を支えてくれたという。 そのレビューは「ボーヴォワールの『第二の性』をすべて読んできた方が理解が深まる」という書き出しから始まり、食と永遠の命の対比、あるキャラクターの出自を独自に考察したうえで現実の問題と接続して締めくくる内容だった。朝井さんは「コラムの締め方とはこれだ」と感嘆し、自分が過去に試みた「キューブリックのキューブにちなんだ締め」と比べ「馬鹿だよ、本当に馬鹿だよ」と笑いながら語った。 ## メールコーナー:落ちたドブを翌朝見に行くお母さん タイトルコール後のリスナーメールコーナー(番組では「カード」と呼ぶ)。36歳の設計師が、設計した家の照明を夜間に現場へ搬入中、暗がりの中でドブに左半身ごと落ちてしまったと投稿。翌日には「お尻に金属バットで殴られたかのような大きな痣ができた」という状態に。そこへお母さんから「朝の散歩で、あなたが落ちたドブを見てきました」という一言が届き笑ってしまったという締めに、朝井さんと加藤さんは「お母さんもオチを狙いに行っている」と盛り上がった。 ## この回の要点 - 朝井さんは出産間近の状態でDJ松永と「ちいかわ」映画を観に行き、3日前のチケットのQRコードを使おうとして映画館のゲートで立ち往生。スタッフに指摘されて思わず「ですよねー」と返す一幕も。 - 映画をほとんど観ない状態で雑誌の映画コラム「グレートシネマ」を担当していた過去を告白。当初は呪術廻戦すら未見で編集者に突っ込まれたが、連載期間中は人生で最も映画を観た時期になったという。 - ノンフィクションライター・前川さんが書いたちいかわ映画レビューはボーヴォワールから始まる実存主義的論考で、朝井さんが「コラムの締め方とはこれだ」と絶賛。同氏の小説監修における書き手に寄り添うスタイルも高く評価された。