#36 「本人は脱出したいと思っていますか?」
加藤千恵が小学2年生の子どもを初めてリアル脱出ゲーム(名探偵コナンコラボ)に連れていき、ゲーム中に「役に立っていない」と声を殺して泣き出した子どもにどう向き合ったかを語る。あわせて朝井リョウが文芸誌「ダ・ヴィンチ」最終号での辻村三月との対談体験と、過去のランダムチーム編成による脱出ゲームの苦い記憶も語られる。
この回が答えていること
加藤千恵の子どもはなぜ脱出ゲームの途中で泣き出したのか?
開始10〜15分ほどで「自分は何もしていない、役に立っていない、来た意味がない」と感じ、声を出さずにサメサメと泣いていた。加藤自身は謎解きに集中していて気づかず、板川さんが先に発見した。
加藤はゲーム中・ゲーム後に子どもにどんな言葉をかけたか?
ゲーム中は時間がないため「あなたがいてくれてよかった、一緒に来られて嬉しい」とだけ伝えた。食後のハワイアン料理店では「役に立たなければいけないという発想はよくない。一緒にやるから楽しいのであって、役に立つから来てほしいわけじゃない」と改めて丁寧に話した。
板川さんが子どもにとって「ヒーロー」である理由は何か?
以前、加藤の自宅でのご飯会の際にその場でSwitchのスーパーマリオワールドを最短ルートで攻略してみせたことがあり、子どもの中で「マリオをめちゃくちゃうまい人」として刻まれているから。
朝井リョウが語る「ダ・ヴィンチ」最終号での体験とはどんなものか?
2人がこれまでダ・ヴィンチに掲載された記事をすべてプリントアウトしてテーブルに並べるサプライズ演出があり「見られない」と苦笑い。デビュー当時の記事を前に、当時は最善と思っていた服装や発言も今見ると「気もかった(恥ずかしい)」と感じると語った。
朝井リョウが大学時代に経験した脱出ゲームで何が起きたか?
来場者がランダムにチーム編成される形式で、4人で行ったのにバラバラにされた。チームに50代くらいの人が1人混入し、状況についていけず「静かにしてて」と言われる場面もあったという。追い詰められた空気の中で人が変わってしまうことへの怖さを話した。
子どもを連れてコナン脱出ゲームへ
加藤千恵は、テレビ東京勤務の友人・板川さんと、ドラマプロデューサーの吉川くんから誘われ、名探偵コナンのリアル脱出ゲームに参加することになった。板川さんが6人グループチケットを持っており、「小学2年生(8歳)の子どもでも大丈夫そう」と吉川くんが太鼓判を押したため、子どもも一緒に連れていくことに。子どもはすでに「謎を解くんでしょ」と知っており、板川さんが誘ってくれたと聞いて喜んだ。
板川さんは子どもにとってヒーロー的存在だ。以前、加藤の家でのご飯会の際、その場でSwitch(スーパーファミコン)のスーパーマリオワールドを最短ルートで攻略してみせたことがあり、「マリオをめちゃくちゃうまい人」として子どもの心に刻まれている。
ゲーム開始10分、子どもが声を殺して泣き出す
会場の入口スタッフから「お子さん連れの方には簡単な親子向けバージョンもあります」と案内されたが、加藤たちはもちろん断った。ゲームは制限時間60〜70分。6人がテーブルを囲んで紙を広げながら謎を解き、時に会場内を移動する形式だった。
開始から10〜15分ほどたったころ、板川さんが子どもに声をかけた。見ると、子どもが声を出さずにサメサメと泣いていた。加藤自身は謎解きに集中していて気づいていなかった。理由を聞くと「自分は何もしていない。役に立っていない。来た意味がない」と言った。
時間がないなか、加藤は「あなたがいてくれてよかった、一緒に来られて嬉しい」とだけ伝えた。他のメンバーも「このシール貼ってくれる?」「板川さんとここ行ってきて」などと子どもが参加できる作業を自然に割り振り、気を遣ってくれた。
脱出失敗、そして食後の「本当の話」
結果は脱出失敗。会場には15〜16テーブルあり、クリアできたのは3組程度だった。「イージーモードだった」と言っていた吉川くんは以前別の回に参加していたらしく、今回の難易度は別物だったようだ。
食後のハワイアン料理店(原宿のEggs 'n Things)でパンケーキを食べながら、加藤は子どもに改めて話した。「役に立たなければいけないという発想はよくない。それは自分に対してだけでなく、他人にも同じことを求めてしまうことになる。一緒にやるから楽しいのであって、役に立つから来てほしいわけじゃない。あなたにいてほしいから声をかけているんだよ」と伝えた。
さらに「板川さん一人でもガンガン進められるよ」と言うと、子どもは「でも脱出できなかったじゃん」と即座に返した。大人6人で失敗した事実はしっかり把握していた。
朝井リョウが語る過去の脱出ゲームの苦い記憶
朝井リョウも大学時代に一度リアル脱出ゲームに参加したことがある。そのときは来場者をランダムにチーム編成する形式で、4人で来たのにバラバラにされた。チームには50代くらいの人が1人混入しており、状況についていけず、慣れたメンバーから「静かにしてて」と言われる場面もあったという。何かやりたい気持ちはあるのに仕事を任せてもらえない空気の中で60分を過ごす苦しさ、そして「あと10分です」というカウントダウンで追い詰められた人間が豹変する怖さを話した。
「ダ・ヴィンチ」最終号、過去の自分と向き合う
朝井リョウは、文芸誌「ダ・ヴィンチ」最終号(エピソード配信日前日、10月9日発売)に辻村三月との対談が掲載されたことを紹介した。お互いがダ・ヴィンチを読んでいた時期が少しずれており、辻村さんが読んでいた頃は各大学のミステリー研究会の紹介が載るようなコアな誌面で、マントを羽織った男子大学生が「僕がミステリ研の部長です」と紹介されている記事を見て進学先の大学を決めたというエピソードも語られた。
対談の撮影前には、2人がこれまでダ・ヴィンチに掲載された記事をすべてプリントアウトしてテーブルに並べるサプライズ演出があり、「見られない」と2人とも苦笑いだったという。デビュー当時の記事を前に、当時は最善と思って選んだ服装や立ち居振る舞いも今見ると「気もかった(恥ずかしい)」と感じるが、それが当時の最先端だったわけで、人間の感覚はあてにならないと話した。
この回の要点
- 脱出ゲームで「役に立てない」と泣いた子どもへ、加藤千恵は「来てほしいのは役に立つからじゃなくてあなたにいてほしいから」と伝えた。
- リアル脱出ゲームのランダムチーム編成は、慣れた人と不慣れな人が混在したとき深刻な疎外感を生む危険がある、と朝井リョウは振り返った。
- 「ダ・ヴィンチ」最終号に朝井リョウと辻村三月の対談が掲載。過去の自分の掲載記事を並べられ「見られない」と苦笑するほどの重い演出があった。
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。