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聞く図鑑 · アート

#78 近所の気になる鳥と図鑑の日の話

2026-10-22 · 34分 · 3分で読める

学研の図鑑ライブ編集長・松原さんが、YouTubeチャンネル「アルクズ館」での東京・隅田川沿いバードウォッチング体験をもとに、ムクドリ・コサギ・カワウ・ハクセキレイなど身近な鳥を図鑑ライブ「鳥」編で掘り下げる。後半は10月22日「図鑑の日」の由来と、昆虫は16ビート・恐竜は四つ打ちという独自のレイアウト哲学を含む日本の図鑑文化論へと展開する。

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この回が答えていること

  • 隅田川・荒川沿いで半日歩いてどんな鳥が見つかったのか?

    ムクドリ・コサギ・カワウを多数確認し、遠くに大サギらしき個体も1羽目撃。10種類前後を確認したが動画では5〜6種を紹介。その後の散歩でハクセキレイやキジバトにも出会い、鳥を目で追う習慣が身についた。

  • コサギの『パドリング』とはどんな行動で、なぜそれをするのか?

    浅瀬で片足を小刻みに震わせ、泥や草の中にいる魚・エビを驚かせて追い出してから素早く捕まえる行動。図鑑ライブには「パドリング」コラムとして掲載されており、知ってから観察すると行動の解像度が上がる。

  • カワウとウミウはどのように見分けるのか?

    くちばし根元付近(ほっぺたにあたる部分)の白い面積で見分ける。カワウは白い部分が狭く、ウミウは目の後ろまで広がっている。なお長良川の鵜飼いで使われているのはウミウであり、カワウではない。

  • 10月22日が『図鑑の日』とされている理由は何か?

    1908年(明治41年)10月22日に、日本で初めて「図鑑」という名称を冠した書籍『植物図鑑』が東京博物学研究会から刊行された。植物学者・牧野富太郎(NHK朝ドラ「らんまん」のモデル)が校訂に関わった。

  • 日本の図鑑文化が海外と大きく異なる点はどこか?

    日本の図鑑は収録種数が多く、検索性・コレクション性が高い。海外の類書はビジュアルブック的な大写真主体になりがちで、子ども向け教材として複数の出版社が毎年新刊を出し続ける文化は日本特有のガラパゴス的状況とされる。

10万再生を生んだ川沿い鳥探し散歩

松原さんは学研の図鑑ライブのYouTubeチャンネル「アルクズ館」で、東京の川を歩きながら鳥を探す動画を制作。「30代後半の成人男性が川沿いでギャーギャー言っているだけ」と自嘲していたところ、予想外に10万再生を超える反響を呼んだ。隅田川・荒川を半日かけて歩き、10種類前後の鳥を確認(動画での紹介は5〜6種)。この体験以来「鳥を目で追ってしまう、ときめいてしまう」ようになったという。今回は図鑑ライブ「鳥」編を手元に広げ、実際に見た鳥を改めて掘り下げる。

身近な鳥たちの素顔を図鑑で確認する

**ムクドリ** 秋になると夕方の街路樹に大群を作ることで知られる。松原さんは、大群で騒ぐあの鳥と公園の芝生でツンツン跳ね回る茶色い小鳥が同じムクドリだと気づいたのがつい最近だったと告白。「点が線になる」感覚として、図鑑を一読すると知識が一気につながると語る。顔が白くくちばしがオレンジというキャラクターデザインのような外見で、ポケモンの「ムックル」とほぼ同一とも。

**コサギ** 全長約60センチ、くちばしと足が黒いのが識別ポイント。隅田川・荒川沿いに多数生息し、遠方には大サギらしき大型個体も1羽いた。図鑑のコラム「パドリング」では、浅瀬で片足を小刻みに震わせて魚やエビを追い出してから捕まえる行動が解説されている。都市部でよく見かける一方、絶滅危惧種に指定されていることは意外と知られていない。また、ゴイサギやヨシゴイなど体が丸っこいサギの仲間も見てみたいと話す。

**カワウとウミウ** 動画撮影中は遠くにしか現れなかったカワウが、夕方ようやく近くで見られ一気に好きになったという。図鑑には見分け方コラムがあり、くちばし根元(ほっぺた)の白い部分の面積がポイント。カワウは白い部分が狭く、ウミウは目の後ろまで広がる。鵜飼いで有名な長良川の鵜はウミウを使用しており、カワウではないという豆知識も紹介された。

**ハクセキレイ・キジバト・スズメ** ハクセキレイは尾羽が長くピコピコと上下に振りながら歩く特徴的な鳥で、コンビニの駐車場にも現れるが松原さんはまだ2回ほどしか見ていない。キジバトは電線や森にいることが多く、物差し鳥と呼ばれるほどバードウォッチャーには一般的な存在だが、カワラバト(ドバト)以外の鳩を判別できただけで嬉しいという。スズメは都市部で巣を作れる場所が減り数が減少しており、2人とも最近ほとんど見かけなくなったと実感している。

10月22日は「図鑑の日」

今回の配信日10月22日は「図鑑の日」。1908年(明治41年)のこの日、日本で初めて「図鑑」の名称を冠した書籍『植物図鑑』が東京博物学研究会から刊行された。校訂を担ったのは植物学者の牧野富太郎——NHK朝の連続テレビ小説「らんまん」のモデルとなった人物だ。「図鑑」という日本語自体がこの書籍で誕生したとされる。図鑑を作る立場にありながら、図鑑そのものの来歴をあまり振り返ってこなかったと2人は苦笑する。

日本独自の図鑑文化と編集哲学

海外の「動物図鑑」と題された本は、見開きに大写真がドンと載るビジュアルブック的な作りが多い。対して日本の図鑑は収録種数が圧倒的に多く、検索性・コレクション性・データベース的な側面が際立つ。複数の出版社が毎年のように子ども向け図鑑の新刊を出し続ける文化は日本特有のガラパゴス的状況と松原さんは分析する。

レイアウト哲学として「昆虫は16ビート、恐竜は四つ打ち」という音楽的な比喩も登場。昆虫は小さく多数を並べることで「らしさ」が出る一方、恐竜は見開きにドンと大きく載せる方が迫力が伝わる。人体図鑑なら「見開きで胃を解説」「見開きで腎臓を解説」と雑誌的な構成になるなど、テーマごとに最適な表現構造が全く異なることを作り手視点で語る。

こうした文脈で紹介されたのが8月末刊の書籍『虫と漫画と日本人 養老孟司とのキャラクター論』(養老孟司・柳瀬一の対談集)。多神教的な日本人の世界観と図鑑文化・ポケモンなどキャラクターが大量共存する文化との関連を論じた内容で、松原さんが柳瀬氏と交流があることも明かされた。

この回の要点

  • 隅田川沿いで10種類前後の鳥を確認した体験と図鑑を組み合わせると、バラバラだった知識が一気に「点から線」でつながる。
  • 10月22日「図鑑の日」の起源は1908年刊行の『植物図鑑』で、牧野富太郎が校訂した書籍が「図鑑」という日本語を生んだ。
  • 日本の図鑑はテーマごとに16ビート/四つ打ちのようなレイアウト哲学を持ち、海外の類書にない収録種数の多さとコレクション性が特徴。

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この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。