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BAD PHARMACYいまは日本チャートの100位圏外です

かわいいのバッドを考える

2026-10-20 · 38分 · 3分で読める

六本木の裏道でタクシーが通行止めにはまり、やむなく立ち寄ったローソンでランチパックが買えなかった話から、コンビニのプライベートブランド一色化への違和感が口火を切る。そこからミスタードーナツ「もっちゅりん」を経由して「かわいい」が日本文化を永続的に支配する構造へと議論が深まり、映画『バックルームズ』日本版サイトのダサさ、ドラマ『わざわい』評、法務省とラブ上等のコラボ炎上まで、コンテンツとメディアをめぐる話題が連鎖していく。

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この回が答えていること

  • コンビニがプライベートブランド一色になって何が失われたのか?

    コンビニにはかつてランチパックのような他社ブランドが並ぶセレクトショップ的な楽しさがあったが、今は自社オリジナルばかりになった。品揃えもこじゃれた方向に偏り、ジャンクで粗雑なものが消えた。一方でギガマートやイオン系マイバスケットのような小型・特化型スーパーが増え、コンビニが手放した多様性をスーパー側が吸収しつつある。

  • 日本で「かっこいい」が「かわいい」を超えた時代はあったのか?

    基本的にずっと「かわいい」が強く、「かっこいい」が上回った時代はない。80年代にはティンバーランドの靴を見ても「かわいいね」と言う文化があり、キングヌーの井口くんのようにクールなキャリアを重ねるほど「かわいい」ポジションに置かれる現象が繰り返される。一番上に立つ人を「かわいい」と見たがるのが日本的欲求だという。

  • 映画『バックルームズ』の日本版マーケティングはなぜ問題なのか?

    バックルームズの世界観はミニマルでおしゃれなのに、日本版公式サイトが過剰に説明的でダサい。説明するとコアファンが離れ、説明しなければ一般層に届かないという配給のジレンマが根本にある。広瀬さんが長年感じてきた「自分のかっこよさと大衆のかっこよさのズレ」と地続きの問題として語られた。

  • ドラマ・映画『わざわい』はどう評価されたか?

    元々WOWOWで放映後Netflixに配信されたサイコホラー。香川照之が6役ほどを演じ、殺人シーンがないまま人が突然死ぬ不条理な作風。テンポが遅くオムニバス形式のドラマより劇場版の完成度が高く、「ドラマを見てから映画」の順が推奨された。香川照之のような役者が表舞台に出られない状況を惜しむ声もあった。

  • アワード授与やコラボ案件が「ロンダリング」に見えるのはなぜか?

    ジーニスト賞のような賞が実際の評価と無関係にその時売れている人へ渡される現象は、互いの信頼性・集客力を借り合う「ロンダリング」に見える。異なる業界の権威が売れている人を評価することで双方がリーチ幅を広げるだけで、後年はウィキペディアの経歴欄に残るだけだと指摘された。

コンビニの「セレクト性」が消えた

六本木の裏道でタクシーが通行止めにはまり、傘もないまま徒歩でローソンに立ち寄った広瀬さんが気づいたのは、棚からランチパックなど他社ブランドがほぼ姿を消し、自社オリジナル商品ばかりになっていたことだった。コンビニにはかつてセレクトショップ的な価値――異なるブランドが一堂に会する面白さ――があった。しかし今やファミマを筆頭にコンビニは自社ブランド化を徹底し、しかも品揃えがこじゃれた方向に寄りすぎて「ガチャガチャしたジャンクなもの」が消えてしまった。結果、広瀬さんは消去法で大きなコッペパンを選ぶ羽目に。「望んでこれじゃない」という苦笑いが今回のバッドの発端だ。

一方スーパー側では、ギガマートやイオン系のマイバスケットのような小型・低価格・特化型店舗が増えており、コンビニが手放した多様性をスーパーが吸収しつつある兆候があるという見立てが出た。サントリーの「ノープ」(ハイカロリー・ギルティ路線のブランド)はどこへ行ったかという話題も出たが、二人ともアルゴリズムにも生活動線にもまったく現れていないとのこと。

ミスタードーナツ「もっちゅりん」と「かわいい」の法則

ポンデリング以来の発明と称されるミスタードーナツの新商品「もっちゅりん」に話題が移る。いつ行っても売り切れで台風の日にも売り切れていたと言い、実食した一方は「グミとドーナツの中間」と評した。穴がないのにドーナツと呼ぶ点、名前の可愛らしさ、ハイカロリーなのに「かわいい」顔をしている点が「擬態がうまい」と好評だった。

ここから「かわいい」論へ展開。日本で「かっこいい」が「かわいい」より上に来た時代はあったのか?という問いに対し、結論はほぼ「ない」。80年代にはティンバーランドの靴を見て「かわいいね」と言う感覚があり、かっこいい男性をかわいいと呼ぶ文化はずっと続いている。キングヌーの井口くんを例に、クールなカリスマがキャリアを重ねるにつれて「かわいい」ポジションに置かれていく現象が指摘された。「一番上に立つ人が一番かわいいと国民が望んでいる」という仮説だ。

さらに、ハローキティを30代が持つ時に生まれる「後ろ暗さを含んだかわいさ」、ちいかわに代表される「怖い文脈を持つかわいさ」が爆発的な力を持つという分析も展開された(ちいかわそのものについては広瀬さんが強く言及を拒んだため深掘りは回避)。かわいいの裏にある「暗がり」のエッセンスが入ったとき初めて爆発的な力を持つ、という構造は洋服でもコンテンツでも共通するという。

『バックルームズ』日本版と説明過剰マーケティング問題

9月4日公開予定の映画『バックルームズ』を調べたところ、日本版公式サイトのデザインがあまりにもダサいと広瀬さんが指摘した。バックルームズはその成り立ちからミニマルでおしゃれな世界観が核にある作品だが、日本の配給はその世界観を説明しなければ一般層に届かないと判断し、説明過剰なデザインに落ち着いてしまっている。

「説明するとコアファンが離れ、説明しなければ話題にもならない」というジレンマは、洋画の日本版ポスターが過剰に説明的になる問題と地続きだ。自分がかっこいいと思ったものが販売チームにドロップされてきた経験のある広瀬さんにとって、これは長年感じてきた「自分のかっこよさと大衆のかっこよさがパラレルに存在する」問題の延長でもある。

わざわい・VIVANT・ラブ上等

元々WOWOWで放映後Netflixに配信されたドラマ・映画『わざわい』は、香川照之が6役ほどを演じるサイコホラー。殺人シーンが一切描かれないまま突然人が死ぬ不条理な作風で、ドラマはテンポが遅くオムニバス形式で結末もないが劇場版の完成度は高い。「ドラマを見てから映画」の順が推奨された。香川照之のような実力派役者が表舞台に出られない状況を惜しむ声もあった。

VIVANTシーズン2については「AI要素も内容も一人二役も全て無理だった」と一蹴。ラブ上等と法務省がコラボしたポスターが取り下げになった件については、「まず暴力団排除に関わる法律を見直したり、反社とされた人が一定期間後に復帰できるルールを整備する方が先ではないか」という意見が出た。アワード授与についても、ジーニスト賞のような賞が実際の評価とは無関係にその時売れている人へ渡される構造を「互いにロンダリングし合っている」と表現し、業界集という言葉でまとめた。

この回の要点

  • コンビニがプライベートブランド一色になりセレクト性を失った分、小型・特化型スーパーがその多様性を吸収しつつある。
  • 日本では「かわいい」が常に文化の中心にあり、クールなキャリアを積んだ人ほど「かわいい」ポジションに置かれていく構造が繰り返される。
  • ニッチなコンテンツの日本版マーケティングは「説明すればコアファンが離れ、説明しなければ届かない」という根本的ジレンマを抱えている。

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この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。