# AIに歴史からの警告!膨張した過去の歴史とは? - Show: 経済ニュース 今日の気になる話題 - Published: 2026-10-19 - Canonical: https://podc.club/episode/1775130625_de26335fa15d.html - Audio: https://anchor.fm/s/f814433c/podcast/play/127711591/https%3A%2F%2Fd3ctxlq1ktw2nl.cloudfront.net%2Fstaging%2F2026-9-19%2F2cfacc5d-7fb1-1f0a-bb06-f86844464bc3.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 国際決済銀行(BIS)の2026年次報告書が、AI投資ブームを過去4つの投資バブル(米国運河建設ブーム・英国鉄道狂時代・1920年代米国・ドットコムバブル)と比較分析。ゴールドマン・サックスは大手5社のAI関連設備投資が2027年に189兆円と今年比5割増になると予測しており、著名投資家レイ・ダリオ氏は2年以内の債務危機を警告している。さらに今回のAIブームが過去と異なる最大のリスクとして、GPUの短い耐用年数が指摘された。 ## この回が答えていること ### BISが過去のバブルとAIブームを比較して何が「異様」だと指摘したのか? 過去4例と比べてAIへの投資膨張スピードが異様に速い点。ゴールドマン・サックスによればマイクロソフト・アルファベット・アマゾン・メタ・オラクルの5社だけでAI関連の設備投資が2027年に189兆円と今年比5割増になる見通しであり、そのペースが過去例を大幅に上回っている。 ### 英国の鉄道株バブル(1840年代)はなぜ崩壊したのか? リバプール=マンチェスター間の鉄道成功で高配当(年1割前後)に魅力を感じた投資家が数百もの鉄道計画に殺到したが、株式は分割払い形式だったため支払いが膨らみ、別の鉄道株を売って支払いに充てる連鎖が起き、売りが売りを呼んで崩壊した。 ### 1920年代の米国バブルはどのように始まり、どのように終わったのか? 電気・自動車・飛行機という技術革新を背景に株価が数年で数倍に上昇。信用取引(証拠金1割で10倍の株を購入可能)がバブルを加速し、1929年10月24日「暗黒の木曜日」に大量売り注文が処理できず急落。その後1930年6月の関税法成立で再度急落し、ピーク比9割安にまで達した。 ### 過去の投資バブルとAIブームの最大の構造的違いは何か? 過去の運河・鉄道・光ファイバーなどのインフラは崩壊後も物理的に残り何十年も使われ続けたが、今回のAI投資の中核であるGPUやデータセンターの設備は早ければ数年で陳腐化する。また、AIを活用して実際に企業が利益を上げるまでには電動化の歴史が示すように時間がかかる点も懸念材料。 ### 2026年10月19日の日経平均株価はどのような動きをしたか? 朝方504円安の64,819円で取引開始後、下げ幅は一時1,400円超に拡大し64,000円台を一時割り込んだ。ただし半導体テスト装置大手のアドバンテストが安値から2,000円以上反発したことなどで引け値は65,000円近くまで回復した。 ## 本文 ## AIブームに歴史が警告——BISと著名投資家の懸念 日経新聞は「AIに歴史の警告、膨張する投資、逆回転のリスク」と題した記事を掲載した。AIへの投資ブームが世界経済を押し上げ、データセンター建設に伴う半導体需要が台湾・韓国経済を底上げし、発電所も増設ラッシュが続く。一方、巨大IT企業は手元資金が不足して社債発行を増やしており、ブームの持続性を不安視する声も増えている。 米国では金融恐慌に関する書籍が売れている。オバマ元大統領が選んだ『1929 Inside the Crash』や、1873年の世界的金融危機(米国の鉄道建設ブームで流入した資金が収縮した過程を描く)を題材にした本が注目を集める。著名投資家のレイ・ダリオ氏は「2年以内に債務危機が起きる」と警告。国際決済銀行(BIS)は2026年の年次報告書で過去4つの投資ブームとAIブームを比較し、今回の投資膨張スピードが「異様に速い」と分析した。ゴールドマン・サックスによると、マイクロソフト・アルファベット・アマゾン・メタ・オラクルの5社のAI関連設備投資は2027年に189兆円と今年比5割増になる見通しだ。 ## 過去4つの投資バブルの教訓 **第1例:米国の運河建設ブーム(1830年代)** 1820年代に東海岸と五大湖を結ぶエリー運河が成功し、内陸の農作物をニューヨークへ安価に運ぶ通行料収入が生まれた。これを見た他州も相次いで運河を建設したが多くは採算が取れず、州財政から拠出した資金を返済できないところも続出した。AIブームに匹敵する規模の資金が短期間で投入されたが、7〜8年ほどで崩壊した。 **第2例:英国の鉄道狂時代(1840年代)** 1830年代にリバプール=マンチェスター間の鉄道が成功し、株主は年1割前後の配当を受け取れた。当時の英国債利回りが3%だったことを考えると魅力的であり、数百もの鉄道計画が議会承認を経て持ち上がった。ただし株式は分割払い形式で、購入後も継続的に払い込む義務があった。支払いが膨らむにつれ投資家は別の鉄道株を売って充当するようになり、売りが売りを呼んで崩壊した。なおこの時代に全国で鉄道の軌間(車輪幅)が約1.4メートルに統一され、これが現代の軌道に引き継がれているとも伝えられる。 米国でも同時期に大陸横断鉄道建設(セントラルパシフィック鉄道、1869年東西連結)が行われた。建設資金調達のため、銀行家は新聞広告や営業ブローカーを使い金利7.3%の社債を販売。ドイツ系移民やヨーロッパへの販売のために、ノースダコタ州の都市名に「ビスマルク」という名前をつけて売り込むほど積極的だった。しかし1873年にオーストリアの株価が急落すると連鎖的に米国の社債も売却され、この鉄道会社は倒産した。リーランド・スタンフォードら鉄道経営者の名はスタンフォード大学として後世に残り、NYダウの前身となる輸送株指数(11銘柄のうち9つが鉄道株)もこの時代に誕生した。 **第3例:米国の1920年代バブルと世界大恐慌** 電気・自動車・飛行機(ライト兄弟の初飛行1903年、リンドバーグの大西洋横断1927年)という技術革新が重なり、信用取引(証拠金1割で10倍の株を購入可能)が株価上昇を加速した。1929年10月24日「暗黒の木曜日」に自動車株への大量売り注文をきっかけに急落。一時回復したものの、1930年6月の関税法成立が引き金となって再度急落し、ピーク比約9割安まで下落した。 **第4例:ドットコムバブル(2000年前後)** インターネット関連企業への投資が膨らみ崩壊したが、この時に敷設された光ファイバー網はその後のインターネット社会を支えるインフラとして残った。 ## 今回のAIブームが「過去と異なる」最大のリスク 過去4つのバブルに共通するのは、ブーム崩壊後も「モノ」が残り続けたことだ。運河も鉄道も光ファイバーも、何十年にもわたって活用されてきた。ところが今回のAI投資の中核はGPUとデータセンターであり、データセンターの外装や冷房設備は残るものの、肝心のGPU本体は早ければ数年で陳腐化する。これが過去の例とは本質的に異なるリスクとして指摘された。 またAIの恩恵が企業収益に転化するまでには時間がかかるとの指摘もある。歴史的な例として、工場の電動化が挙げられた。当初は大きな蒸気機関を大型モーターに置き換えるだけで、各機械に小型モーターを配置して効率化するという本質的な活用法に気づくまで長い時間を要した。AIも同様に、実際の業務効率化が定着するには時間がかかる可能性がある。その間、189兆円規模の設備投資をした企業が利益を出せるかどうかが焦点だ。新興クラウド会社の社債が過去の金融崩壊と同じパターンをたどるリスクも意識されている。 ## 当日の株式市場:日経平均は1,400円超の急落から反発 2026年10月19日(月)の日経平均は、AIクラウドサービスのCoreWeaveが再び動揺し、AI関連債務への不安が再燃した米国株安を受け、朝方504円安の64,819円で取引を開始した。原油価格の上昇も投資心理を冷やし、下げ幅は一時1,400円超に拡大して64,000円台を割り込む場面もあった。ただし半導体テスト装置大手のアドバンテストが安値(32,420円)から2,000円以上反発し34,450円で引けたことが相場を下支えし、日経平均は65,000円近辺まで回復して取引を終えた。その他の活況銘柄としてはサイバーセキュリティ関連が挙げられ、顧客情報流出ニュースが相次ぐ中、売買高が数日で10万株台から4,000万株超に急増する銘柄も見られた。ただし時価総額の小さいグロース株はストップ安に張り付くリスクもあると注意が促された。 ## この回の要点 - BISはAI投資の膨張スピードが過去4つのバブル(運河・鉄道・1920年代・ドットコム)と比べて異様に速いと分析しており、ゴールドマン・サックスは大手5社の2027年AI設備投資を189兆円と予測している - 過去のバブル崩壊後は運河・鉄道・光ファイバーというインフラが残ったが、今回のGPUは数年で陳腐化するという構造的な違いがある - 2026年10月19日の日経平均は一時1,400円超急落したが、アドバンテストの急反発に支えられ65,000円近辺まで回復して引けた