# #233 40代って第二の思春期らしいけど - Show: 私より先に丁寧に暮らすな - Published: 2026-10-19 - Canonical: https://podc.club/episode/1726626112_f163a55e736f.html - Audio: https://anchor.fm/s/f0b24c60/podcast/play/127675202/https%3A%2F%2Fd3ctxlq1ktw2nl.cloudfront.net%2Fstaging%2F2026-9-18%2F9c63e36d-8127-5c9d-53f1-3cdb9e37750e.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 41歳・会社経営ナンバー2の味のりさんから「ミドルライフクライシス的状態で、新しい仕事をしたいのに社員への思いで踏み出せない」というお便りが届いた。上坂さんとうかいさんは味のりさんの悩みを分析しながら、自分にメスを入れられないこと、「ベスト」と「ベター」の違い、完璧主義とロマンチストという切り口で自分たちの内面も掘り下げていく。 ## この回が答えていること ### 味のりさんの悩みは一般的なミドルライフクライシスとどう違うのか? 味のりさんは気力が全然減っておらず「新しいことをやりたい」という欲求がはっきりある。問題は気力不足ではなく、大切な社員を「捨てる」ことへの申し訳なさであり、二人は「気力ありありクライシス」と分析した。 ### ミドルライフクライシスとは何で、なぜポッドキャストがその世代に流行るのか? 子どもの手が離れ仕事でポストに就き新しい挑戦がなくなった無力感がミドルライフクライシスの典型。ポッドキャストは「新しいっぽく見える」うえ友達との会話がメンタルケアになるため、この世代にちょうどはまると上坂さんは分析する。 ### 上坂さんとうかいさんが「自分にメスを入れられない」と感じることはあるか? 上坂さんは「メスを入れたいことが特にない」と即答。うかいさんは、寺をもっと多くの人に開きたい思いがあるが大義名分が自分の個人的なわがままに過ぎないのではと感じ、踏み込めずにいると語った。 ### 30代・40代における「ベスト」と「ベター」の意識の変化とはどういうものか? 若い頃はすべてにベストを求めるが20代後半から30代にかけて「完璧なものはない」と気づき始める。以降はベターを積み重ねていく世界になり、ベターである限りは手放す必要もないという判断軸に変わっていくとうかいさんは語る。 ### 上坂さんが自分を「完璧主義」と気づいたことで、ポッドキャストへの向き合い方をどう捉え直したか? 美大デザイン科出身の上坂さんは、超一流デザイナーになれないと悟った瞬間に全やる気を失った過去を告白。「完璧主義は結果に目をつぶれないからロマンを持ちにくい」といううかいさんの分析に納得し、ポッドキャストと短歌は「下手でもいいからやりたい」と思って始めた珍しいロマンチストな選択だったと気づいた。 ## 本文 ## 味のりさんのお便り:17年間駆け抜けた経営者の揺らぎ ラジオネーム味のりさん(41歳・女性)は50人規模の会社でナンバー2を務め、創業期から17年間を過ごしてきた。若い頃に出産し、子どもがまもなく成人を迎えるタイミングで自分の時間が増えた。その余白の中で「なぜ今の仕事をしているのか」「これからも続けるのか」という問いが浮かび上がってきた。一方で、自分のモチベーションの揺らぎを社員に悟られ組織を不安にさせることを恐れており、「開けてはいけない蓋を開く」怖さから本心を探れずにいる。本心では「社員を捨てて新しい仕事をしたい」と感じているが、大好きな社員たちへの思いがあってそれを認めがたい、という状態だと自己分析している。 ## ミドルライフクライシスとポッドキャストが流行る理由 上坂さんは35歳の誕生日を機に、コミュニティ「キキカイカイ」のダンチという番組でタイタンさんとミドルエイジクライシスをテーマに収録した経緯を紹介。一般的なミドルライフクライシスは「子どもの手が離れ、仕事でそれなりのポストに就いて日々が安定してきたとき、新しい挑戦がなくなり無力感に陥る状態」と説明する。典型的な症状は「新しいことを始めたいけど怖い」「今更一から始める気力がない」というもの。そしてポッドキャストがこの世代に流行る理由として「新しいっぽく見えるし、番組という体があることで自己開示の場になり、受け止めてもらえるメンタルケアになる」という発見を語った。 ## 味のりさんは「気力ありありクライシス」 二人の見立てでは、味のりさんは通常のミドルライフクライシスとは異なる。気力は充分あり「新しい仕事をしたい」という欲求がはっきりしている。ネックはただ一点、今の社員への愛着と申し訳なさだ。上坂さんは「社員さんへの感謝がなければ秒で辞めている」と分析し、この状況を「長く付き合ってきたパートナーと別れづらい感覚」に例えた。情や積み重ねがあるから離れられないが、このままでいいのかという問いが消えないという構造が似ている、と。 ## ベストからベターへ:30代で変わる価値基準 うかいさんは「若い頃はすべてにベストを求めるが、20代後半から30代にかけて『完璧なものはない』とわかってくる」と語る。恋愛も仕事も自分自身も、完璧なものがなさすぎる現実を知り、ベターを積み重ねていく世界へ移行していく。ベターである限りは捨てる必要がない、という判断軸が大人の選択になっていくのだという。 ## 完璧主義とロマンチスト:上坂さんの自己発見 うかいさんが「自分にメスを入れられないことは?」と問われ、寺をもっと多くの人に開きたいが大義名分が自分の個人的な欲求に過ぎないと感じて踏み込めない、と答えた一方、上坂さんは「やりたいことがない」と即答。うかいさんの「完璧主義はやりたいことがない」という分析に上坂さんは強く納得する。完璧主義者は結果に目をつぶれないため、過程に価値を見出す「ロマン」を持ちにくい。美大デザイン科出身の上坂さんは、超一流デザイナーになれないと悟った瞬間にすべてのやる気を失った経験を告白。ポッドキャストと短歌だけは「下手でもいいからやりたい」と思って始めた自分には珍しいロマンチストな選択で、うかいさんはその目を見てポッドキャストに乗ったのだと明かした。 ## この回の要点 - 味のりさんの悩みは気力不足ではなく「大好きな社員を置いていけない」という他者への責任感が本心を塞いでいる点が核心で、通常のミドルライフクライシスとは異なる。 - 30代以降はベストが存在しないと知りベターを積み重ねる世界になる一方、完璧主義者はやりたいことを持ちにくく、ロマンチストは結果を問わず動ける、という対比が二人の自己分析から浮かび上がった。 - 上坂さんにとってポッドキャストと短歌は「超一流でなくても下手でもいいからやる」と決めた、自分史上珍しいロマンチストな選択だった。