酢豚の酢が許せない男 #193
「今年のベストバイを教えてください」という普通のお便りをきっかけに、浦下くんが豚バラブロックでパンチェッタを自作している話が展開。カルボナーラの語源「カーボン(炭)」から胡椒バリバリでなければ認めないという持論、酢豚の酢とパイナップルへの激しい拒絶、そしてダージリン派とスモーキーアールグレイ&ハオウーロン・マンゴー味派の食い違うお茶愛まで、食にまつわる主張と脱線が続く雑談回。
この回が答えていること
パンチェッタとは何で、なぜ自作しようとしているのか?
パンチェッタは豚バラ肉を塩漬けにした燻製なしのベーコン。山野村牧場の本物ベーコンを知って市販品に満足できなくなったのがきっかけで、最終的にカルボナーラなど本格イタリアパスタを作ることを目標に、ピチットシートで水分を吸着させながら冷蔵庫で約1か月熟成中。
カルボナーラの語源は何で、「本物」の条件とは?
カルボナーラの語源はイタリア語の「カーボン(炭)」で、パスタに散らした黒胡椒が炭に見えることから名付けられた「胡椒を食べるパスタ」。温泉卵をのせて胡椒をかけないカルボナーラが世にはびこっているのは許せないという立場。
酢豚にパイナップルや酢が入っている理由は何か?
酢豚は中国南方料理で、東南アジアに近い南方で手に入るパイナップルと黒酢を使った歴史的な痕跡。ただし浦下くんはお酢の匂いが本能的に苦手で「揚げただけのほうが美味しかった」と主張し、パイナップルも下処理専用でいいと反論した。
二人のお茶の好みはどう違うか?
浦下くんはダージリン一択で香りが強いアールグレイは「余計」という立場。もう一人はルピシアの台湾ウーロン茶、マリアージュフレールのマルコポーロ、スモーキーアールグレイ、ハオウーロンのマンゴー味など変わり種を好み、二人は完全に分かり合えていない。
今年のベストバイはそれぞれ何だったか?
浦下くんのベストバイは豚バラブロックとピチットシート。もう一人は書斎に置いたニーチェアX(一人用ソファー)と、インプレッサ G4の燃費(10.6km/L)に限界を感じて購入検討中のスバル ソルテラ(電気自動車)を挙げた。
ベストバイ①:豚バラブロックとピチットシート
ラジオネームたくわんもったらさんから届いた「今年のベストバイを教えてください」というシンプルなお便り。浦下くんが真っ先に答えたのは「豚バラ(ブロック)」だった。スライスではなく500グラムほどのブロック肉で、目的はパンチェッタの自作だ。
パンチェッタとは豚バラ肉を塩漬けにしたもので、燻製すればベーコンになる一歩手前の食材。カルボナーラやアマトリチャーナなどイタリア料理で正式に使われる。豚の頬肉(トントロ)を塩漬けにした「グアンチャーレ」も同系統で、チーズとグアンチャーレの油だけで食べる古典的なパスタ「グリーチャ」にトマトを加えるとアマトリチャーナ、卵を加えるとカルボナーラになるという派生関係がある。最終的にはグアンチャーレも自作して本格的なカルボナーラを作るのが目標だ。
自作を決意したきっかけは山野村牧場のベーコンを食べた経験。「スーパーで美味しいと思っていたベーコンとは全く違う」と気づいてしまったことで市販品に満足できなくなった。本来は冬の乾燥した季節に仕込むのが失敗しにくいが、収録時点では8月の真夏。そこで食品用のピチットシート(水分や匂いを吸着するシート)を豚バラブロックに巻き、輪ゴムとラップで固定してバットの上に置き、冷蔵庫で数日おきにシートを交換しながら熟成させている。完成まで1か月ほどかかる見込みで、成功・失敗はまだ判定できない段階とのことだった。
カルボナーラ論:胡椒がなければ認めない
パンチェッタの話からカルボナーラへ話が飛ぶと、「言いたいことがある」と切り出す場面があった。「巷に溢れるカルボナーラがカルボナーラじゃないんじゃないか」という主張だ。
カルボナーラの語源はイタリア語の「カーボン(炭)」。パスタに散らした黒胡椒が炭に見えることから名付けられた、つまり「胡椒を食べるパスタ」と位置づけるべきだという。温泉卵をのせて胡椒ゼロのカルボナーラが世にはびこっているのは許せない、胡椒は生かされるべきだと力説した。現在はホールペッパーを電動ミルで挽いているが、「本当はホールのままフライパンで煎ってから潰すのが最も香りが立つ」とも話し、いずれすり鉢が来るかもしれないと笑った。黒胡椒は大航海時代に人々がインドまで求めに行くほどの価値があったスパイスであり、カルボナーラはそれが主役の料理であるべきだという一貫した立場だ。
酢豚論争:豚しかわかってない男
話がお酢に及ぶと浦下くんが本領を発揮する。「腐った食べ物の匂い」と表現するほどお酢が苦手で、「酢豚も揚げるまでは美味しかったのに最後に酢で絡めて食べられなくする」と主張した。
これに対し「酢豚原理主義者」として反論が入る。酢豚はもともと中国南方料理で、中国の料理は北方(鍋料理が発達)・四川(スパイス料理)・広東(海鮮料理)・南方に大別されており、南方は東南アジアに近いためパイナップルが身近な食材だった。つまり「酢豚にパイナップルが入っているのは、この料理が南方料理であることを知るための痕跡」だと説明する。黒酢を使うのも同じ文脈だ。
浦下くんはパイナップルについても「柔らかくする効果があるなら下処理の段階だけ使えばいい、酢豚の皿に入れる必要はない」と反論。「酢豚という言葉のうち豚しか理解できていない」と評された。なお、子供が酸っぱいもの・苦いものを嫌うのは腐敗や毒を本能的に察知する機能であり、大人になって慣れることで酸っぱくても美味しいものを楽しめるようになる、という補足もあった。
お茶の流儀:香りゼロ派 vs. 変わり種探求派
酢豚と同様に食い違うのがお茶の好みだ。浦下くんは「香りがなければないほどいい」派で紅茶はダージリン一択。アールグレイは「余計なベルガモットの香りが強すぎる」として不要と断言する。
一方、もう一人は変わったお茶を求め続けている。ルピシアの台湾ウーロン茶(凍頂ウーロン茶)、マリアージュフレールのマルコポーロ(バニラ・キャラメル・蜂蜜を思わせるブレンド)、ルピシアと国立新美術館のコラボ商品のスモーキーアールグレイ、サントリーのハオウーロンのマンゴー味やジャスミンウーロンなど次々と試している。ハオウーロン マンゴー味については「マンゴーの味が先に来てスッと引いた後にウーロン茶の後味が来る」と称賛し、企業努力を購買活動で応えたいとも語った。また新日本橋の中国茶専門店で聞香杯を使った台湾ウーロン茶の点て方を体験し、一煎目は茶葉を開かせるために捨てる作法を知ったことを話した。
ベストバイ②:電気自動車とニーチェアX
もう一人のベストバイとして最後に出てきたのが書斎のニーチェアXと、購入検討中のスバル ソルテラだ。ニーチェアXは「ソファーとハンモックのいいとこどり」という一人用ソファーで、包まれる感覚と軽さとデザインに満足しているという。
ソルテラはスバルの電気自動車。現在乗っているインプレッサ G4の燃費が10.6km/Lで、アクアの23〜28km/Lの半分以下。「ガソリンスタンドで向こうだけずっと50〜75%オフになっているようなもの」と表現し、最近購入した中古一戸建てがオール電化でEV充電設備つきだったことから電気自動車への乗り換えを本格的に検討している。セダンへのこだわりを捨てるかどうかが最後の問題だと話した。
この回の要点
- パンチェッタ自作はピチットシートで夏でも冷蔵庫熟成に挑戦中。最終目標はグアンチャーレを使った本格カルボナーラ。
- カルボナーラは「胡椒を食べるパスタ」であり胡椒ゼロは許せない、酢豚の酢もパイナップルも意味不明、という浦下くんの食の原理主義が炸裂した回。
- お茶の好みは「香りゼロのダージリン一択」派と「スモーキーアールグレイからハオウーロン マンゴー味まで変わり種探求」派に完全に分かれ、分かり合えないことを確認した。
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。