# 10月9日(金)ノーベル賞の秋、今年も到来〜with NIKKEI - Show: ながら日経 - Published: 2026-10-09 - Canonical: https://podc.club/episode/1627014612_f6f872a4d35e.html - Audio: https://traffic.megaphone.fm/NRBC5215345196.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 ノーベル賞ウィークが到来し、東京理科大学の素合名誉教授がノーベル化学賞を受賞した。アミノ酸の左右非対称性という生命46億年来の謎に迫る「素合反応」が評価され、日本人28人目の自然科学分野受賞者となった。また、OpenAIがナビエ=ストークス方程式をAIで解いたと発表したことに数学界のノーベル賞とも称されるフィールズ賞受賞者たちが「数学に有害」と連名で声明を出す事態となっており、人間とAIの共存が改めて問われている。 ## この回が答えていること ### 今年のノーベル化学賞を受賞したのは誰で、日本人受賞者として何人目にあたるのか? 東京理科大学の素合名誉教授が化学賞を受賞。化学賞・生理学医学賞・物理学賞の自然科学3分野合計で日本人28人目の受賞者となる。昨年は日本人が化学賞と生理学医学賞を受賞しており、今年はないと思われていた中でのサプライズだった。 ### 受賞理由となった「素合反応」はどのような発見で、どんな意義があるのか? アミノ酸には右手型と左手型があり、生命体のアミノ酸はほぼ全て左手型、糖は右手型とされているが、その理由は46億年来の謎だった。素合反応はこの非対称性の謎を解き明かす大きな一歩だと研究者が証言している。 ### OpenAIがナビエ=ストークス方程式を解いたことに、なぜ数学者たちは反発しているのか? フィールズ賞受賞者たちは、AI企業が自社の性能を誇示するベンチマークとして数学の難問を利用しているのではないかと批判。大量の解答だけが生産され、人間がじっくり考える環境が失われることへの懸念から「数学という科学に有害」と連名声明を出した。 ### ノーベル文学賞・平和賞の有力候補として誰・どの機関の名前が挙がっているか? 文学賞は今年も村上春樹さんへの注目が高い。平和賞は国際平和研究所の予想でICC(国際刑事裁判所)とICJ(国際司法裁判所)が有力候補に挙がっており、ICCは日本人の赤根智子さんが所長を務めている。 ### ノーベル経済学賞はいつ発表され、日本人受賞の実績はあるか? 週明け12日に発表予定。物価・金融政策など生活に直結するテーマが選ばれることも多い。日本人受賞はこれまで一度もなく、そういう意味でも注目の賞だと島崎記者は呼びかけた。 ## 本文 ## ノーベル化学賞に東京理科大・素合名誉教授──日本人28人目の自然科学受賞 今週はノーベル賞ウィーク。7日に発表された化学賞は、東京理科大学の素合名誉教授の受賞が決まった。発表の瞬間、日経社内でも中継を見守るスタッフで大変な状況になったという。日経電子版ではノーベル賞特集ページも立ち上げている。 化学賞・生理学医学賞・物理学賞の自然科学3分野を合わせると、素合名誉教授は日本人として28人目の受賞者となる。昨年は坂口志文さんが生理学医学賞を、北川薄務さんが化学賞を受賞しており、今年は2つの賞で日本人の名前が出なかったことから「今年はないか」とも思われていた中でのサプライズだった。受賞の連絡は、スーパーで買い物をしている最中に届いたというエピソードも話題になっている。 ## 「素合反応」とは──46億年来の謎を解き明かす一歩 受賞理由となった「素合反応」は、生命の起源にかかわる長年の謎に光を当てた研究だ。アミノ酸には右手型と左手型の2種類があり、私たちのような生命体が持つアミノ酸はほぼすべてが左手型。一方、糖は右手型とされている。なぜこのような非対称性が生まれたのかは、46億年にわたって未解明のままだった。取材を受けた研究者は「46億年におよぶ生命の長年の謎を解き明かす大きな一歩」と証言している。 ## AIが「ナビエ=ストークス方程式」を解いた──数学者が連名で有害と声明 9月、アメリカのOpenAIが、流体力学の分野で90年以上未解決だったナビエ=ストークス方程式をAIを使って解いたと発表した。この方程式は天気予報にも活用される重要な流体力学の式だ。 これに対し、数学界のノーベル賞と称されるフィールズ賞の受賞者たちが連名で「数学という科学に有害」とする声明を発表した。批判の核心は、AI企業が自社の性能を誇示するためのベンチマークとして数学の難問を解かせているのではないかという疑念だ。解答だけが大量に生産されれば、人間が時間をかけてじっくり考える環境が失われてしまうという懸念も示された。番組では「人間とAIがこの世界でどのように共存していくか、ノーベル賞のあり方自体が問われる時代が間もなく来るかもしれない」と述べた。 ## 文学賞・平和賞・経済学賞──これからの注目点 ノーベル文学賞は収録日の夜に発表予定で、今年も村上春樹さんへの注目が集まっている。島崎記者はデビュー作『風の歌を聴け』に言及しながら、読書の季節に最新作も手に取りたいと語った。 平和賞は翌朝の発表。国際平和研究所の予想では、ICC(国際刑事裁判所)とICJ(国際司法裁判所)が候補として名前が挙がっている。ICCは日本人の赤根智子さんが所長を務めているが、トランプ政権が制裁圧力をかけるなど複雑な状況にある。 週明け12日には経済学賞の発表が控える。物価や金融政策など生活に直結するテーマが選ばれることも多い分野で、日本人受賞はこれまで一度もない。島崎記者はその点でも注目してほしいと視聴者に呼びかけた。 ## この回の要点 - 東京理科大・素合名誉教授がノーベル化学賞を受賞。アミノ酸の非対称性に迫る「素合反応」が評価され、日本人28人目の自然科学受賞者となった。 - OpenAIがナビエ=ストークス方程式をAIで解いたと発表。フィールズ賞受賞者たちが連名で「数学に有害」と声明を出し、AIと人間の共存のあり方が問われている。 - 文学賞は村上春樹に注目、平和賞はICC・ICJが有力候補、経済学賞は12日発表予定で日本人受賞実績はゼロ。