# Inside Venezuela's uncertain path to freedom | Leopoldo López - Show: TED Talks Daily - Published: 2026-10-18 - Canonical: https://podc.club/episode/160904630_dea9e3e1e08a.html - Audio: https://sphinx.acast.com/p/open/s/67587e77c705e441797aff96/e/6acfa6f7b3381b9dbb7c315e/media.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 ベネズエラ野党指導者レオポルド・ロペスが、7年間の政治囚生活とその後の亡命を経て語る、世界規模の権威主義との闘い。独裁者たちが中国・ロシア・イラン・ベネズエラという思想的に異なる政権間で実利的に連携する一方、民主主義勢力がいかにAIや通信技術を武器に組織化しようとしているかを論じる。世界リバティ会議(60カ国超)の共同創設者として、活動家向けの「主権AI」構築や11月サンフランシスコでの「自由テクノロジー」会議計画も明かした。 ## この回が答えていること ### 独裁者たちはなぜ民主主義勢力より効果的に連携できているのか? 共通の目的、つまり権力の維持と民主主義への対抗という利害が一致しているから。中国共産党・ロシア民族主義・イラン神権政治・ベネズエラ腐敗政権は思想が異なるが、実利的に協力する。ウクライナ侵攻10日前に習近平とプーチンが署名した文書にもその一端が表れている。 ### 独裁政権はAIやインターネットをどのように市民の統制に活用しているのか? AIによるディープフェイク生成、インターネット遮断、金融システム管理による資金流入の阻止などを駆使する。ロペス自身もディープフェイクの被害を受けており、ネットワーク内の活動家がAIとの会話内容を法廷で証拠として使われた事例もある。 ### 活動家が取り組む「主権AI」とはどのような仕組みで、なぜ必要とされているのか? 活動家が自分たちのサーバー上で管理するAIを構築し、使用する言語モデルも自ら選択できる仕組み。企業のサーバーに機密の戦略を預けると当局に露出するリスクがあるため、オープンソース技術を基盤に独立したAI環境を整備している。現在ワークショップも実施中。 ### テクノロジーが生む「ゲートキーパー問題」は民主主義国の人々にも関係するのか? 民主主義国の市民も、AI企業との会話が第三者に利用されるリスクがある点では同じ。資金・通信・コンテンツの「鍵」を自分が持つか他者が持つかという問いは、インターネットへのアクセスが日常化した今、あらゆる人に共通する問題だとロペスは指摘する。 ### ロペスはベネズエラの現状と今後についてどう見ているのか? インタビュー時点(2026年10月)でベネズエラは移行期にある。5カ月前とは状況が異なり、さらに5カ月後にはまた変わるとロペスは述べ、楽観的な見方を示す。ただし具体的な政治的詳細はこの文字起こし部分では語られていない。 ## 本文 ## 獄中で学んだ「自由」の意味 レオポルド・ロペスは独裁者ニコラス・マドゥロの下で7年間、政治囚として拘束された。独房に入れられ、食事の時刻も面会の可否も日光を浴びる時間も、すべて他者が決めていた。その経験こそが「自由とは何か」を体感させたと彼は語る。現在は亡命中だが、民主主義を守るための活動を国際的に展開し、60カ国超が参加する「世界リバティ会議(World Liberty Congress)」を共同創設している。 ## 独裁者の実利的な連帯 ロペスが強調する核心的な問題意識は、権威主義政権間の協力関係が自由の擁護者の連携より遥かに進んでいるという現実だ。中国共産党、ロシアの民族主義政権、イランの神権政治、ベネズエラの腐敗政権——これらは思想的には全く異なる。しかし「権力の維持」と「民主主義への対抗」という共通目的のもと、実利的に協力し合っている。ウクライナ侵攻10日前に習近平とプーチンが署名した有名な文書には、彼らが「カラー革命」と呼ぶものへの共同対処を含む記述があった。こうした構造的な連携に対し、民主主義側の運動は歴史的に分散したまま機能してこなかった、とロペスは指摘する。 ## デジタル空間が新たな戦場に ロペスはTEDでの講演テーマとしてテクノロジーを選んだ理由を、「Tはテクノロジーを意味するから」と半ば冗談めかしながらも、本質的な理由を語る。独裁政権はAIを活用してディープフェイクを生成し、反体制派を貶める情報を拡散している。ロペス自身も多様なディープフェイクの標的になってきた。また、インターネット遮断は常態化しており、ウガンダとイランでは同時期にStarlinkのアクセスが閉鎖された事例がある。提供企業に政治的意図があったかどうかに関わらず、「誰かが接続を許可するかどうかを決められる状態」それ自体が問題だとロペスは述べる。インターネットアクセスは今日の最重要な人権の一つであり、それが遮断されている現実を問題視する。 ## 活動家向け「主権AI」の構築 この6カ月で世界リバティ会議のネットワーク内で最も注目を集めているのが「主権AI(sovereign AI)」だ。民主化運動の活動家が商用AI企業のサーバーに頼ると、戦略や計画が当局に露出するリスクがある。実際に、AIとの会話内容が法廷の証拠として使われ有罪になった事例も出ている。そこでロペスたちは、各運動体が自分たちのサーバー上で運用し、使用する言語モデル(LLM)も自ら選べる独立したAI環境の整備を支援している。オープンソース技術を核に据えることで、「誰も管理しない技術」を目指すのが基本方針だ。現在ワークショップを展開しており、2026年11月にはサンフランシスコで「自由テクノロジー」をテーマにした活動家と開発者の会議を予定している。 ## 民主主義国の人々へのメッセージ ロペスは「ゲートキーパー問題」は独裁国家だけの話ではないと強調する。資金・通信・コンテンツ・AI——これらの「鍵」を自分が持っているか、企業や政府など他者が持っているかという問いは、民主主義国の市民にも同様に突きつけられている。プライバシーとは「自分についての情報をどれだけ世界に開示するかを自分で決める」ことであり、デジタル次元での主権は、物理的な自由と同等に重要だとロペスは論じる。私たちは今や物理空間とデジタル空間という二つの次元を生き、むしろデジタル空間での時間の方が長くなりつつある。それだけに、デジタルの自由を守ることは全ての人にとっての課題だというのが彼のメッセージだ。 ベネズエラについてロペスは、インタビュー時点(2026年10月)で移行期にあり、4月から5カ月で大きく変化したとして、依然として楽観的な見通しを示している。 ## この回の要点 - 独裁政権は思想を超えた実利的連携で民主主義に対抗しており、民主主義側の組織化が急務になっている - AIとインターネット遮断は権威主義の新たな弾圧ツールとなっており、活動家は企業依存を避ける「主権AI」の構築を進めている - 資金・通信・AIの「鍵」を誰が持つかというゲートキーパー問題は、独裁国家だけでなく民主主義国の市民にも共通する自由の問題だ