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TED Talks Daily · 社会/文化

How would you design your dream city? | James Rojas

2026-10-22 · 14分 · 3分で読める

ロサンゼルスのアーバンプランナー、ジェームス・ロハスは、怒声が飛び交うか誰も来ないかの二択だった従来の住民参加型公聴会に見切りをつけ、ボトルキャップやアイスキャンディーの棒・ヘアローラーなどの廃材を使って街を「作って遊ぶ」手法「Place It」を開発した。年齢・言語・文化の壁を越えて人々が同じ「理想の街」を描き出す現象を発見し、メキシコのティフアナや米国フェニックスの実プロジェクトでその効果を実証してきた。

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この回が答えていること

  • 従来の住民参加型コミュニティ会議にはどんな構造的問題があるのか?

    公聴会は「誰も来ない空き部屋」か「声の大きい少数が議論を支配し大多数が沈黙する戦場」の二択しかない。読めない地図、理解できない専門用語、記入されないアンケートが人々を遠ざけ、プランナーは土地利用は設計できても場の感覚的な質を捉えられない。

  • 「Place It」とはどんな手法で、ワークショップはどのように進行するのか?

    数千個の廃材を机に並べ、まず「子ども時代のお気に入りの記憶を5分で言葉を使わず作る」よう促す。作り終えたら全員で共有し、共通点を確認した後、チームで10分間「理想のコミュニティ」を協同制作する。手を動かすことで分析的思考から創造的フロー状態へ移行する。

  • 遊びを通じたワークショップで、参加者はどんな共通の「理想の街」像を描くのか?

    スカイスクレイパーではなく広場・公共交通・庭園が街の中心を占め、歩けるコミュニティに自然・公園・水辺・多様な身体活動の場が豊富にある。フリーウェイは庭に変わり、郊外の巨大住宅や塀付きゲーテッドコミュニティは誰も作らない。「喜びから計画しているから」だとロハスは言う。

  • フェニックスの障がい者ワークショップでは、どんな具体的な成果が生まれたのか?

    障がい者がワークショップで設計した「理想のライトレール駅」案をもとに、参加者が市長・議員へ長年にわたって電話・手紙・メールで働きかけ続け、2019年に新駅が開業した。日除け歩道・低勾配スロープ・アート・植栽バッファーなどワークショップの案が実際の設計に反映された。

  • なぜ年齢・人種・収入が異なる人々でも、最終的に同じ結論に至るのか?

    子ども時代の大切な記憶は年齢・収入・人種・地域を超えて「自然の中で家族や友人と過ごした多感覚的な社会体験」に集中し、所有物の誇示や時間通りの登校を作った人は皆無だった。この共通基盤を先に確認することで、個人の意見対立ではなく共有価値から計画を始められる。

公聴会は「空き部屋か戦場」──従来の住民参加の限界

ロサンゼルスを拠点とするアーバンプランナーのジェームス・ロハスは、長年にわたってコミュニティ会議の機能不全を目の当たりにしてきた。会議室は誰も来ない空席だらけか、声の大きい少数が議論を独占し残りが沈黙する「戦場」の二択しかない。専門家が使う地図は読めず、アンケートは記入されず、データや測定値を並べたプレゼンは住民の心に届かない。プランナーは土地利用を正しく設計できても、人々が感じる「場の感覚的な質」を捉えられないと彼は言う。

子ども時代の遊びを都市計画に──「Place It」の誕生

解決策のヒントはロハス自身の幼少期にあった。おもちゃを買ってもらえない代わりに、祖母から段ボール箱をもらい、小さなプラスチックの端切れやアイスキャンディーの棒を集めてミニチュアの家・通り・街を作り続けた体験が原点だ。この記憶をもとに彼が開発したのが「Place It」という手法である。

ワークショップでは机にボトルキャップ・アイスキャンディーの棒・ヘアローラーなど数千個の廃材を並べる。最初の課題は「子ども時代のお気に入りの記憶を5分で作ること」。言葉で説明せず、とにかく手を動かすよう促す。オブジェクトの色や形が記憶を呼び覚ます。ヘアローラーを手にしたアフリカ系アメリカ人女性は祖母と過ごした美容の時間を思い出し、オレンジ色のカエデの葉はニューイングランド出身者に秋の情景を想起させる。作り終えたら全員で共有する。夏のキャンプ、ごっこ遊び、友人との時間、自転車の練習──あらゆる記憶が場に集まる。

「理想の街」は誰もが同じ──遊びが引き出す共通の価値観

記憶の共有が終わると、参加者はある事実に気づく。年齢・収入・人種・地域が異なっていても、子ども時代の大切な記憶は「自然の中で家族や友人と過ごした多感覚的な体験」に集中している。テレビ視聴、所有物の誇示、時間通りの登校を再現した人は一人もいない。この共通基盤を確認した後、今度はチームで10分間「理想のコミュニティ」を協同制作する。

数百回のワークショップで得た結論は一貫している。人々が作るのはスカイスクレイパーではなく、広場・公共交通・庭園が街の中心を占める景観だ。歩けるコミュニティ、豊かな公園と水辺、多様な身体活動の場。フリーウェイは庭に変わる。郊外の巨大一戸建てや塀付きゲーテッドコミュニティは誰も作らない。「喜びから計画しているから、それが大きな違いを生む」とロハスは語る。

ティフアナとフェニックス──実プロジェクトでの成果

メキシコのティフアナにあるカミノ・ベルデは、基本インフラや公共スペースが不足したインフォーマル住宅地だ。ロハスは草の根のコミュニティ会議を主導し、10ページにわたるアイデアを市に提出。地域センターに加え、図書館と談話スペースを兼ねた複合公共施設が誕生した。

米国アリゾナ州フェニックスでは、障がい者向け複合施設「Ability360センター」をめぐるプロジェクトが特に印象的だ。2008年に開設された同センターから最寄りのライトレール駅まで約1.6キロ。フェニックスの灼熱の日差しのもと、障がいを持つ人々にとってこの距離は生命の危険を伴いかねない。ロハスはワークショップで利用者それぞれが自分の障がいに合わせた「理想の駅」を設計し、次にチームで案を統合する場を設けた。参加者はその後、市長や議員への電話・手紙・メールによる長年のアドボカシー活動を続け、2019年についに新駅が開業。日除けのある歩道、低勾配スロープ、アート、植栽による街路バッファーなど、ワークショップで生まれたアイデアが実際の設計に反映された。

受け身の参加者からビジョナリーへ

ロハスは言う。「遊びを通じると、都市計画が再び人間のものになる。人々は描写するだけでなく、見せて、感じて、所有する。そこで何かが変わる。受け身の参加者から、自分たちのコミュニティのビジョナリーへと変容する」。廃材で遊ぶという最もシンプルな行為が、すでにある現実を繰り返すのではなく、より良い何かを想像するための強力な手段になりうると彼は示した。

この回の要点

  • 公聴会の「空き部屋か戦場」問題を、廃材で遊ぶ「Place It」ワークショップが解決し、沈黙していた人々が自ら街を設計する体験へと変える
  • 年齢・人種・言語が異なる参加者でも、数百回のワークショップを通じて「自然と人間関係を重視した歩けるコミュニティ」という同じ理想像が浮かび上がる
  • フェニックスでは障がい者が設計したライトレール駅が2019年に実際に開業し、参加者のアイデアが街の物理的空間に反映された実績がある

都市計画参加型デザインコミュニティ障害者支援遊び

この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。