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【10月16日】高市政権1年「高市トレード」に転機。株高・国債安はなぜ変わり始めた?

2026-10-16 · 5分 · 2分で読める

高市政権が10月21日に発足1年を迎えるタイミングで、農林水産大臣が不祥事により辞任し政権初の閣僚交代が起きた。マーケットでは「高市トレード(日本株を買い日本国債を売る戦略)」が30%超のリターンをもたらしてきたが、国債利回りが3%超まで上昇したことで投資家が戦略を見直し始めている。高市首相自身もリフレ路線から財政規律重視へとメッセージを変え、政権2年目は経済成長・財政健全化・物価抑制の難しいバランスが問われる局面に入った。

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この回が答えていること

  • 高市トレードとはどのような投資戦略で、なぜ生まれたのか?

    日本株を買い日本国債を売るセット取引。高市政権が掲げた14年間370兆円超の官民投資で経済成長・企業利益拡大が見込まれるため株を買い、財政拡大で国債増発・金利上昇が予想されるため国債を売る、という2つの見立てをひとつの戦略にまとめたものだ。

  • 高市トレードはこの1年でどれほどの成果を上げたか?

    ブルームバーグ・インテリジェンスのデータによると、TOPIXを買い日本国債を売る組み合わせは昨年10月以降で30%を超えるリターンを記録。日本株は最高値を更新し、10年国債利回りはこの1年でほぼ倍の3.115%まで上昇した。

  • なぜ投資家は今、国債を売るポジションを見直し始めているのか?

    国債利回りが3%程度まで上昇し、TOPIXの予想配当利回り2.3%を上回るようになったため。この利回り格差は2005年以降で最大で、JPモルガン・アセット・マネジメントのシルビア・シェン氏も9月に国債売りポジションを解消し「明らかに投資価値が生まれている」と説明している。

  • 高市首相自身の経済メッセージはこの1年でどう変化したか?

    発足当初はリフレ派と見られていたが、高市首相は今月「日本経済はリフレ政策が必要な局面ではない」と発言。施政方針演説でも「財政の持続可能性は当然の前提」と強調しており、積極財政から財政規律重視へと軸足を移している。

  • 高市政権2年目はどのような課題に直面しているか?

    370兆円規模の投資で経済を強化しながら国の借金は増やしすぎないこと、物価・金利を抑えながら来年4月から食料品の消費税を1%に引き下げて国民の生活実感も改善すること。経済成長・財政健全化・物価抑制という三つの目標を同時に追う難しいバランス運営が問われている。

高市政権1年目、初の閣僚交代

高市政権は来週10月21日に発足から1年を迎える。その直前、農林水産大臣が辞任した。選挙で支持者をバスで無料送迎した問題などを野党から追及され、高市政権として初めての不祥事による閣僚交代となった。政治的には痛手だが、この1年をマーケットの視点から振り返ると、また違った景色が見えてくる。

高市トレードとは何か

「高市トレード」とは、日本株を買い、日本国債を売るという投資戦略だ。高市政権は発足当初、AIや半導体、防衛などを含む14年間で370兆円を超える官民投資を方針に掲げた。政府がお金を使い民間投資も呼び込めば経済が成長して企業利益も増える、だから株を買う。一方、財政拡大で国債発行が増えれば金利は上がると見て国債を売る。この2つをセットにした戦略が高市トレードと呼ばれた。

この1年の成果と転機

この読みはかなり当たった。ブルームバーグ・インテリジェンスのデータでは、TOPIXを買い日本国債を売る組み合わせは昨年10月以降で30%を超えるリターンを記録。日本株は最高値を更新し、10年国債利回りはこの1年でほぼ倍の3.115%まで上昇した。

ところが今、投資家が「国債を売る」という部分を見直し始めている。理由は金利が上がったことで国債自体の魅力が高まってきたためだ。10年国債利回りは3%程度であるのに対し、TOPIXの今後1年間の予想配当利回りは2.3%。国債の方が上回っており、そのギャップはデータをさかのぼれる2005年以降で最大だという。JPモルガン・アセット・マネジメントのシルビア・シェン氏は9月に10年国債の売りポジションを解消し、「現在の利回り水準では明らかに投資価値が生まれている」と説明している。

高市首相自身のメッセージも変わった

変わったのは投資家だけではない。高市政権自身のメッセージにも変化が見られる。発足当初、高市首相は金融緩和と積極的な財政出動で景気や物価を押し上げるリフレ派と見られていた。ところが高市首相は今月、「日本経済はリフレ政策が必要な局面ではない」と発言。施政方針演説でも「財政の持続可能性は当然の前提」と強調した。

背景には積極財政への限界という現実がある。先週この番組で取り上げたフランスでも財政不安から国債が売られ市場が大きく揺れた。日本でも円安や物価高への警戒感は根強い。さらにアメリカのベッセント財務長官が日本に財政規律を求め、7月には日米が協調為替介入に踏み切った。1年前は「もっと経済を刺激する政権」への期待が高市政権を支えていたが、今は「どこまで刺激しても大丈夫なのか」が問われ始めている。

政権2年目が問われること

高市政権は来年4月から食料品の消費税率を1%に下げる方針だ。コーヒー豆や弁当など生活に欠かせない品目では今年最大23%の値上げが続いており、株価が最高値を更新しても暮らしの豊かさは実感しにくい状況が続いている。370兆円規模の投資で日本経済を強くしながら国の借金は増やしすぎない、物価や金利を抑えながら暮らしも豊かにする——政権2年目はこの難しいバランス運営が問われている。

この回の要点

  • 高市トレード(日本株買い・国債売り)はこの1年で30%超のリターンをもたらしたが、国債利回りが3%超に上昇し配当利回りを上回ったことで投資家が戦略を見直し始めている。
  • 高市首相自身もリフレ路線を否定し財政規律を前面に打ち出すなど、政権発足当初の積極財政路線から軌道修正の姿勢が鮮明になってきた。
  • 来年4月の食料品消費税1%引き下げを掲げる政権2年目は、経済成長・財政健全化・物価抑制という三つの目標を両立する難しいかじ取りが焦点となる。

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この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。