# 【10月12日】アメリカで「競わない」スポーツ大会がトレンド - Show: News Connect あなたと経済をつなぐ5分間 #ニュースコネクト - Published: 2026-10-12 - Canonical: https://podc.club/episode/1608666340_473ac817adaf.html - Audio: https://anchor.fm/s/81fb5eec/podcast/play/127305598/https%3A%2F%2Fd3ctxlq1ktw2nl.cloudfront.net%2Fstaging%2F2026-9-11%2F2524afab-2cbf-4add-ceb3-49637d72e7a9.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 アメリカで、勝敗を競わず「体験」を重視するエンターテインメント型スポーツ大会が急拡大している。カラーパウダーを浴びながら走る「カラーラン」、ワイン農園を抜ける自転車レース、オクラホマ州の泥だらけの自転車大会など、Z世代を中心とした若者が参加者数を押し上げており、背景にはウェルビーイング志向とメンタルヘルス重視の価値観がある。 ## この回が答えていること ### アメリカで競技スポーツの競技人口が減っている理由は何か? アメリカのスポーツ・フィットネス協会によると、勝敗を競う競技スポーツの参加者は減少が続いており、特に青少年の競技スポーツ離れが顕著。高校では人が集まらず廃部になる部活動も多い。背景には、過度なプレッシャーによる精神的負担を避け、ウェルビーイングやメンタルヘルスを守りたいという若者の価値観がある。 ### エンターテインメント型スポーツ大会にはどんな種類があり、なぜ人気なのか? カラーパウダーを全身に浴びながら走る「カラーラン」や、ワインのぶどう畑など美しい景色の中を走るタイム不問の自転車レースが人気。後者はレース後にワインやクラフトビール、ライブ、キャンプファイヤーが楽しめてフェスのような雰囲気があり、「仲間と体を動かしてSNS映えもする」点が若者に刺さっている。 ### オクラホマ州の自転車レースはどんな内容で、なぜ注目されているのか? オクラホマ州で行われる自転車レースは、雨が降るとコースの赤土がピーナッツバターのような深い泥になる。完走よりも「どう乗り越えるか」「互いにどれだけ助け合えるか」が試される内容で、勝敗やタイムではなく「つながり」と「ストーリー」を求める若者に大人気となっている。 ### 日本のスポーツイベントはアメリカのこのトレンドと同じといえるか? 日本にも地元グルメを楽しめるマラソン大会はあるが、どちらかといえば街おこし・地域振興の色が強く、若者が牽引するトレンドとは趣が異なるとホストは指摘している。アメリカのようにZ世代が中心となって新しいフォーマットを作り出している状況とは少し違うとみている。 ### 競わないスポーツのトレンドは、より大きな社会的潮流とどうつながっているか? 以前紹介したアメリカの「スロートラベル」や読書旅行(ブックリトリート)のトレンドと共通する「アナログ回帰」の流れといえる。AIやデジタルが生活を覆う時代だからこそ、予測不能な体験や人との助け合いに価値を感じる「より戻し」が起きているとホストは分析している。 ## 本文 ## スポーツの日に感じた「継続は力なり」 10月12日はスポーツの日(祝日)。パーソナリティの竹村ゆきこさんは冒頭、遠泳大会で80歳以上の高齢者が何キロも泳いでいる光景や、ハイキングで年配の先輩たちに追い抜かれた経験を紹介した。「スマートフォンがない時代から、若い頃に友達と海で泳いだり山を登ったりしてきた人たちだから元気なんだろう」と振り返りつつ、「自分たちの世代が同じように体を動かし続けられているか」と自問した。 ## アメリカで顕著な「競技スポーツ離れ」 アメリカのスポーツ・フィットネス協会のデータによると、勝敗を競う競技スポーツの競技人口は減少が続いており、青少年の離れが特に顕著だ。高校では参加者が集まらず廃部になる部活動も増えている。 背景にあるのはウェルビーイングの視点だ。勝ち負けを争うにはストイックなトレーニングが必要になり、過度なプレッシャーで精神的に追い詰められることもある。心と体の健康を大切にしたいと考える若者を中心に、「競うことから距離を置く」動きが広がっている。 ## 急成長するエンターテインメント型スポーツ大会 ただし、若者がスポーツ自体をやめたわけではない。勝敗よりも「体験」に重きを置いたエンターテインメント型の大会が増加傾向にある。 代表例のひとつが**カラーラン**だ。コース中に鮮やかなカラーパウダーを全身に浴びながら走り続けるイベントで、タイムや順位は関係ない。もうひとつが、ワインのぶどう畑など美しい景色の中をタイムを競わずに走る**自転車レース**で、Z世代を中心に多くの若者が参加している。このレースはゴール後に地元名産のワインやクラフトビールが振る舞われ、ライブやキャンプファイヤーも楽しめる。参加者にとっては「仲間と体を動かしながらSNS映えもする」点が大きな魅力だという。 ## 泥だらけのオクラホマレースが問うもの 中でもユニークなのが、オクラホマ州で開催される自転車レースだ。雨が降るとコースの赤土がピーナッツバターのように深い泥に変わり、完走すること自体が困難になる。順位を争うどころか、「どうやってゴールまでたどり着くか」「どれだけ参加者同士が助け合えるか」が試される内容だ。 「わざわざ泥だらけにならなくても」と思う人もいるかもしれない。しかし竹村さんは、AIがある程度の事態を予測できる時代だからこそ、「全く予測できないピーナッツバター状のコースでドロドロになりながら助け合う体験は、ある意味で逆に人間らしく、贅沢な経験といえる」と語った。この大会は、勝負やタイムよりも「つながり」と「ストーリー」を求める若者に大人気だという。 ## 日本との違いと、アナログ回帰という大きな潮流 日本でもご当地グルメを楽しめるマラソン大会は存在するが、どちらかといえば「街おこし」の色が強く、若者がトレンドを牽引しているアメリカとは趣が異なると竹村さんは指摘する。 また竹村さんは、以前紹介したアメリカの旅行トレンド「スロートラベル」(テクノロジーから離れてアナログな時間を過ごす旅)との共通点を見出す。AIやデジタルが生活のあらゆる場面を覆う時代だからこそ、一人旅や仲間とのスポーツといった「デジタルデトックス」の方向へ人間が戻ろうとしているのではないか、というのが彼女の見立てだ。80歳以上の方々が若い頃から続けてきた「スマートフォンがない時代の青春」に、今の若者たちが自然と回帰しているようにも見える。 ## この回の要点 - アメリカでは勝敗を競う競技スポーツの参加者が減少し、カラーランや泥だらけの自転車レースなど体験重視のエンターテインメント型大会がZ世代に急拡大している。 - 競わないスポーツのトレンドの背景には、過度な競争によるメンタルヘルスへの悪影響を避け、ウェルビーイングを重視するという若者の価値観がある。 - AIとデジタルが進展する時代に、予測不能な体験や仲間との助け合いに価値を見出す「アナログ回帰」の潮流がスポーツ分野にも及んでいる。