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【10月6日】ロシア、バルト海の飛び地をめぐり「孤立化なら核使用も辞さず」と警告
ロシアがNATOに対し、飛び地カリーニングラードの孤立化を試みた場合は核兵器を含む全戦力を行使すると書簡で警告し、プーチン大統領も演説で同様の発言をした。バルト海周辺でロシアによるハイブリッド攻撃が相次ぐ中、NATOの集団防衛条項(第5条)の適用範囲が試されている構図と、アメリカ・NATO各国の対応を解説する。
この回が答えていること
なぜロシアはNATOに核使用も辞さないと警告したのか?
フィナンシャル・タイムズが9月30日に報じた書簡によると、NATOがカリーニングラードを孤立化させようとした場合、核兵器を含むあらゆる戦力を使うとロシアが警告。プーチン大統領も翌10月1日の演説で同趣旨を述べ「世界は危険な瞬間を生きている」と発言した。
カリーニングラードとはどのような場所で、なぜロシアにとって重要なのか?
バルト海に面したロシアの飛び地で、南にポーランド、北東にリトアニアと接するがロシア本土とは陸続きでない。バルト艦隊の重要拠点であり、周囲をNATO加盟国に囲まれているため、本土から切り離された防衛が安全保障上の最重要課題となっている。
ロシアはバルト海周辺でどのような具体的な行動を取っているのか?
バルト三国の政府機関・インフラへのサイバー攻撃、偽情報の流布、物理的破壊工作など直接戦闘を伴わないハイブリッド攻撃が指摘されている。15日にはリトアニア上空へのドローン侵入が起き、NATO加盟国イタリアの戦闘機が緊急発進した。
NATOの集団防衛義務「第5条」が試されているとはどういう意味か?
NATOの第5条は「一加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃」とみなす集団防衛条項。ロシアが全面戦争とは言い切れないグレーゾーンの行動を取ることで、この条項が発動されるかどうかを試しているとポーランドのトゥスク首相が分析している。
アメリカ議会が提出した「NATOシールド法案」とはどのような内容か?
大統領が議会の承認なしにNATOから離脱することを禁じ、アメリカのヨーロッパ防衛へのコミットメントを法的に固定しようとする法案で、超党派の議員が24日に提出した。
臨時国会召集、最大の焦点は消費税減税
10月5日、内閣改造後初の臨時国会が召集された。会期は12月12日までの69日間。食料品への消費税減税に関する法案審議が最大の焦点となる見込みだ。農林水産大臣の予算カットをめぐる発言問題や、国会議員の定数削減など国会改革も論点となる見通し。パーソナリティの野村高文氏は、一度下げた税率を再び引き上げられるのか、また税制がさらに複雑になることへの懸念を示した。
カリーニングラードとは何か
カリーニングラードはバルト海に面したロシアの飛び地だ。南にポーランド、北と東にリトアニアと国境を接し、ロシア本土とは陸続きになっていない。第2次世界大戦前はドイツ領で、ドイツ語名ケーニヒスベルクとして知られ、近代哲学を大きく発展させた哲学者カントが生涯を過ごした街でもある。大戦後にソ連領となり、現在はロシアに引き継がれた。バルト艦隊の拠点が置かれており、ロシアにとって重要な軍事拠点となっている。
周囲はNATO加盟国に囲まれている。国境を接するポーランド・リトアニア、近隣のラトビア・エストニアはいずれもNATO加盟国だ。さらにバルト海岸に位置するスウェーデンとフィンランドも、ロシアのウクライナ侵攻後にNATOへ加盟した。本土から切り離されたこの飛び地をどう防衛するかが、ロシアにとって安全保障上の課題となってきた。
核使用も辞さずとの警告
フィナンシャル・タイムズは9月30日、ロシアがNATOに対して書簡を送り、カリーニングラードを孤立化させようとした場合には核兵器を含むあらゆる戦力を使うとの意思を示したと報じた。プーチン大統領は翌10月1日の演説でも同様の主旨を述べたうえで「世界は危険な瞬間を生きている」と発言し、NATO諸国に対してこれ以上の事態のエスカレートをしないよう警告した。
バルト海でのハイブリッド攻撃
言葉による警告にとどまらず、具体的な行動も観測されている。バルト三国に対しては、政府機関やインフラを標的にしたサイバー攻撃、偽情報の流布、物理的な破壊工作など、直接的な軍事衝突を伴わずに社会を混乱させるハイブリッド攻撃が行われていると指摘するレポートがある。
15日には、ロシアとの関与の有無は不明ながら、リトアニア上空にドローンが侵入し、NATO加盟国であるイタリアの戦闘機が緊急発進した。また米シンクタンク「戦争研究所(ISW)」は、ロシア系住民の割合が非常に高いエストニアの国境の町ナルバに対し、全面戦争とは判断しにくい小規模な部隊をわずかに越境侵入させるというシナリオを分析している。
NATO第5条をテストするグレーゾーン戦略
カリーニングラードに接するポーランドのトゥスク首相は、ロシアが西側諸国の対応の限界を試そうとしているという分析を示した。NATOの集団防衛条項、いわゆる第5条(一加盟国への攻撃は全加盟国への攻撃とみなす)が適用されるかどうかを、全面戦争とは言い切れないグレーゾーンの行動によってテストしているという見立てだ。
5月にはロシアがラトビアをウクライナによるドローン攻撃に加担しているとして報復を暗示した。これに対しラトビアの臨時代行大統領は国営放送のインタビューでロシア側の主張を「完全な嘘」と一蹴し、「我々は今、新たな現実に直面している。こうした不安定な現実における試みに対しては、国内外を問わず常に冷静に対処しなければならない」と述べた。
アメリカでも結束を維持しようとする動きが出ている。議会では24日、超党派の議員が「NATOシールド法案」を提出した。大統領が議会の承認なしにNATOから離脱することを禁じ、アメリカのヨーロッパ防衛へのコミットメントを法的に固定しようとする内容だ。
日本への示唆
8月にプーチン大統領が北方領土を訪問し、日本政府が強く抗議した。バルト海周辺の状況は決して対岸の出来事ではない。日本近辺でも、軍用機の接近や領空への侵入など、防衛体制の限界を試すようなグレーゾーンの行動が観測されている。こうした事態への対処として、ラトビア代行大統領の言葉のように客観的な事実に基づき冷静に対処していく姿勢が重要だとパーソナリティは結んだ。
この回の要点
- ロシアはNATO宛ての書簡とプーチン演説で、カリーニングラード孤立化への核使用も辞さないと警告した。
- バルト海周辺ではサイバー攻撃・ドローン侵入・越境シナリオ分析など、ハイブリッド脅威がエスカレートしている。
- ロシアのグレーゾーン戦略に対し、米議会は「NATOシールド法案」でアメリカのNATOコミットメントを法的に固定しようとしている。
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。