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Hot Entry! 最新回のゲストは Rol3ert。英語でじっくり語る最新回

ゆるコンピュータ科学ラジオ · テクノロジー

100時間かけて動画編集AIを作ったら、気が狂いそうになった。

2026-09-27 · 44分 · 3分で読める

ゆるコンピュータ科学ラジオの樋口氏が、自社の動画編集を自動化するためにAIを開発し、バージョン170超・100時間以上を費やした顛末を語る。映像と音声のズレ、テロップの機械的カット、話者判定の誤作動、右寄せテロップの文字幅計算バグと、AIが「勝ち筋が見えました」と自信満々に繰り返す姿に翻弄された開発記録。

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この回が答えていること

  • 動画編集AIが最初に出力した動画には何の問題があり、AIはそれをなぜ自分で気づけなかったのか?

    最初の動画は映像と音声が完全にズレていた。AIは自分が作った動画を実際には見ずに作っているため、人間なら一目でわかるズレに気づけなかった。

  • AIがテロップを「22文字で機械的にカット」するようになったのはなぜか?

    ゆる哲学ラジオの編集データから「テロップの最大文字数は22文字」というルールを学習したが、改行タイミングは無視して単純に文字数で切っていたため。

  • 話者(堀本・水野)の判定にAIが使っていたアルゴリズムはどのようなもので、なぜ失敗したのか?

    文字起こしの文字数が長い方のマイクの話者が喋っていると判定していた。同じ部屋での収録により水野の声が堀本マイクに漏れ込み、堀本マイクの文字起こしが常に長くなって誤判定された。

  • 右寄せテロップのはみ出し問題がバージョンを20個以上重ねても解決しなかった理由は何か?

    右寄せはテロップ全体の文字幅を先に計算し右端から引いた位置を開始点にする必要があるが、平仮名・カタカナ・アルファベットで文字幅が微妙に異なり、AIが毎回別の文字種の幅を忘れる誤りを繰り返したため。

  • バージョン9で8割の完成度に達してから残りの詰めになぜ1か月もかかったのか?

    「0点から80点は比較的簡単、80点から100点は難しい」という法則どおり、右寄せテロップのはみ出しなど細部の詰めに時間がかかったため。

「勝ち筋が見えました」──自信満々AIとの最初の衝突

動画編集の効率化を目指し、Google Driveに蓄積された既存の編集データをAIに読み込ませることにした。「学習元がいっぱいあるからすぐできるだろう」と楽観していたところ、AIは即座に「勝ち筋が見えました」と返答。ところが最初に出てきた動画は、映像と音声が完全にズレた状態だった。AIは自分が作った動画を実際には「見ずに作っている」。人間なら一目でわかる不気味なズレを認識できないまま、高らかに完成を宣言する──それが最初の「気持ち悪さ」だった。ズレ自体は指摘すればすぐ直ったが、次の問題がすぐ顔を出した。

テロップの22文字問題とマニュアルの威力

テロップを入れると、全セリフを詰め込んだ自動字幕のような状態になってしまう。AIはゆる哲学ラジオの編集データから「テロップの最大文字数は22文字」というルールを学習していた。しかし改行タイミングは無視して単純に22文字で切るため、「ゆるく楽しくおとど」「消するのがこのラジオです」と意味不明な箇所で切れ続けた。「勝ち筋が見えました」と毎回自信満々で出してくるAIに、苦笑いするしかない場面が続いた。

打開策は、編集者向けに用意してあった詳細なマニュアルをAIに読み込ませることだった。フォント・文字数・トンマナ・テロップの切り方まで言語化されたマニュアルを渡すと精度は大幅に向上。「テロップは端的に、不要な言葉をすべて落とすこと」という指示を忠実に守り、むしろ人間の編集者より要約精度が高いテロップを出力するようになった。「マニュアルをちゃんと書いてきてよかった」と実感した瞬間だった。

話者判定アルゴリズムが引き起こした全員・堀本発言問題

ゆるコンピュータ科学ラジオの素材に切り替えた段階で、新たな問題が発覚した。誰が喋っているかを示すアニメーションが、すべて堀本さんの発言として出力されてしまう。AIの内部ロジックを確認すると、「文字起こしの文字数が長い方のマイクの話者が喋っている」という判定をしていた。

2本のマイクを比較するアイデアは一見合理的だが、2人が同じ部屋で収録しているため、水野さんの声が堀本マイクにも漏れ込む。結果、堀本マイクの文字起こしが常に長くなり、すべてが「堀本の発言」と誤判定された。解決策はシンプルで、「音量が大きい方のマイクの話者が喋っている」と判定すればよい。指摘するとAIは即「じゃあ音量の大きい方にしますね」と答えた。「最初からそうしろ」と思ったが、この修正で判定精度は約85%まで向上した。ただし、笑い声や相づちのタイミングでカットが崩れる問題はその後もずっと尾を引いた。

右寄せテロップと「80点から100点」の壁

バージョン9程度でかなりのクオリティに達したため、「あと1週間で完璧になる」と確信した。ところが「0点から80点は比較的簡単、80点から100点は難しい」の法則どおり、細部の詰めに丸1か月を費やすことになった。

最大の難敵は右寄せテロップのはみ出し問題だ。ゆるコンピュータ科学ラジオでは話者によってテロップの配置が左右異なる。左寄せは座標の原点(左上)から描画するだけでよいが、右寄せはテロップ全体の文字幅を先に計算し、右端からその幅分を引いた位置を開始点にしなければならない。しかも平仮名・カタカナ・アルファベットでは文字の幅が微妙に異なる。AIは「今度こそできました」と言うたびに「カタカナの幅を忘れていました」「アルファベットの幅を忘れていました」と別の誤りを繰り返し、この一点だけでバージョンを20個以上積み重ねた。動画編集ソフトの「右寄せボタン」を押す方法も検討したが、AIがGUI操作をするにはボタン8個押すだけで15分かかるほどコストが高く、文字幅を数値で計算して直接描画する方が結果的に速いという結論に至った。

この回の要点

  • AIは「勝ち筋が見えました」と自信満々でも出力を自分で検証しておらず、映像と音声のズレのような人間には一目瞭然の問題を認識できないまま完成と宣言する。
  • 編集者向けに書いた詳細マニュアルをAIに読み込ませることでテロップ精度が劇的に向上し、要約品質はむしろ人間より高いレベルに達した。マニュアルはAIにも効く。
  • バージョン9で約8割の完成度に達してから、右寄せ文字幅計算など細部の詰めに1か月・20バージョン以上を費やした。「80点から100点」の壁は動画編集AI開発でも健在だった。

動画編集AI生成AI開発プロンプトエンジニアリングテロップ自動化AI失敗談

この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。