# 石田英司「『物価高倒産』が過去最多ペース」「韓国で兵役免除の見直し論が再燃」「免許証の本人確認を『ICチップ』へ切り替え検討」10月14日 - Show: 上泉雄一のええなぁ! - Published: 2026-10-13 - Canonical: https://podc.club/episode/1588682529_f1eb171b5fcf.html - Audio: https://traffic.megaphone.fm/MBSINC4063820840.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 物価高(インフレ)倒産が2026年1〜8月に762件に達し、年間で集計開始以来初の1000件超えが見込まれる。その仕組みと円安・輸出の実態を整理したうえで、韓国の兵役免除制度をめぐる再燃した議論と制度の詳細、さらに運転免許証のICチップによる本人確認への切り替えを金融庁が前倒し要請した経緯を解説する。 ## この回が答えていること ### 物価高倒産が急増している根本的な原因は何か? コスト(原材料費・人件費・輸送費)の上昇を販売価格に転嫁できないことが最大の原因。スーパーは競合店との価格競争で値上げできず、建設業では契約後のコスト上昇を発注元に転嫁できない。企業はリストラや資産売却で延命を図るが、それも限界に達した段階で倒産する。 ### 円安なのに日本の輸出が増えないのはなぜか? 日本の大手製造業はドル高時代にすでに海外へ工場を移転しており、円安になっても国内生産からの輸出量は増えない。海外子会社が稼いだ利益も現地で再投資される分が大きく、国内の賃金や消費への波及は限定的にとどまっている。 ### 韓国の兵役制度はどのような仕組みになっているか? 男性のみが対象で18歳ごろから手続き開始、19歳で身体検査。入隊は20〜21歳が最多で、期間は陸軍1年半〜空軍1年9ヶ月。終了後は予備役として8年間の招集義務が続く。忌避した場合は5年以下の懲役・氏名公表・就職上の不利が生じる。 ### 韓国の兵役免除制度はどのような条件で適用され、免除後も義務はあるか? 1973年に創設された制度で、オリンピックのメダリストとアジア大会の金メダリストが対象。e-sportsや国指定のコンクール1位も含まれる。ただし完全免除ではなく、3週間の基礎訓練後に18ヶ月間は競技・芸術活動を続けながら勤務し、544時間の公益活動も義務付けられる。 ### 金融庁が運転免許証のICチップ読み取りへの切り替えを求めた理由は何か? 金融機関システムへの不正アクセスで運転免許証の画像を含む顧客情報が漏洩し、なりすましリスクが高まったため。免許証番号は変更されにくい構造で画像流出の影響が大きく、来年4月に予定していた切り替え期限を前倒して早急な対応を求めた。 ## 本文 ## 物価高倒産が年間1000件超えへ――価格転嫁できない構造的問題 2026年1〜8月の「物価高倒産」件数は762件に達した。前年同期の615件から147件増加しており、このペースが続けば2018年の集計開始以来初めて年間1000件を超える見通しだ。 物価高倒産(インフレ倒産)とは、原材料費・人件費・輸送費などのコスト上昇を販売価格に転嫁できないまま経営が行き詰まる現象を指す。スーパーでは競合他社との価格競争があるため値上げに踏み切れない。建設業では請負契約時に価格が固定されるため、着工後のコスト上昇分を発注元に上乗せしにくい。特に下請け企業は大手発注元から値上げ交渉を事実上断られるケースが多く、弱い立場に置かれている。 企業はすぐに倒産するわけではなく、リストラや資産売却を重ねながら延命し、それでも限界に達した段階で倒産する。今の急増は、数年間こらえ続けた企業が「いよいよ持ちこたえられなくなってきた」ことを示している。来年以降さらに増加する可能性も指摘された。 なお、食品スーパーのある大手チェーンが100店舗の閉店を発表したとのニュースも紹介され、商圏の人口減少に物価高が重なった事例として言及された。 ## 円安でも輸出は増えない――大企業の「海外完結型」構造 帝国データバンクの調査では、円安の影響が「マイナス」と答えた大企業が41.1%と、中小企業の40.6%を初めて上回った。大企業の想定為替レートは1ドル=152円で、実勢の158円との差が6円。中小企業は148円想定で差は10円に広がり、中小がより苦しい実態が数字に表れている。 「円安なら輸出企業が儲かるはず」という通念についても実態が指摘された。日本の大手製造業はドル高局面に海外へ工場を移転済みで、国内生産から輸出する余地はほとんどない。海外子会社が稼いだ利益は連結決算時に円換算すると増加して見えるが、その利益の多くは現地で再投資され、日本の親会社へ送金された分も内部留保や株主還元に回りやすく、国内の賃金や消費への波及は限定的だ。 ## 韓国の兵役制度――仕組みと就職への影響 韓国の兵役は男性のみが対象で、18歳ごろから手続きが始まり19歳で身体検査を受ける。入隊は大学入学後1〜2年目の20〜21歳が最多で、期間は陸軍1年半(最短)から空軍1年9ヶ月(最長)。陸軍は募集枠が多いため実際には陸軍へ行く人が大半だ。終了後は予備役として8年間の招集義務が続く。 兵役を忌避した場合、5年以下の懲役と氏名公表が科されるほか、就職時の採用試験で兵役時期が必ず確認されるため事実上のキャリア断絶を招く。37歳までに義務を終える規定だが、社会人として働きながら行くのは現実的に難しい。韓国では大学卒業から就職まで平均11.2ヶ月かかるほど就職競争が厳しく、その重要な準備期間と大学生活の一部を兵役に取られる負担感は大きい。 ## 兵役免除制度の実態――e-sportsや芸術も対象、BTSは全員入隊 兵役免除制度は1973年に創設された。オリンピックのメダリスト(金・銀・銅)とアジア大会の金メダリストが免除対象で、今回のアジア大会では43人が該当した。アジア大会でe-sportsが正式種目になったことから、ゲームで金メダルを獲得したチームメンバーも免除対象となった。芸術分野では国が指定するコンクールで1位を取れば免除される。 ただし「完全免除」ではない。免除を受けても3週間の基礎訓練を受けたうえで、そこから18ヶ月間はスポーツや芸術活動を続けながら兵役に服する。さらに544時間の公益活動(競技や技術の指導など)が義務付けられる。 BTSは免除制度の対象外として全員が兵役に就いた。少子化で若年男性が減り続けている韓国では兵力不足が深刻化しており、制度の完全廃止には至らないとの見方が示された。 ## 運転免許証の本人確認をICチップへ前倒し切り替え 金融庁は金融機関に対し、運転免許証の画像による本人確認から、ICチップ情報の読み取りによる確認へ早急に切り替えるよう求めた。金融機関システムへの不正アクセスで免許証画像を含む顧客情報が漏洩し、なりすましに悪用されるリスクが高まったためだ。 免許証番号は12桁で、最後の2桁が再発行回数を示す。通常は再発行しても番号の大半は変わらないため、画像が流出した場合の影響が大きい。ICチップは2007年から搭載が始まり、現在有効な免許証を持つ人は全員チップが組み込まれている。来年4月を切り替え期限としていたが、今回の措置でさらに前倒しが求められる形となった。チップ読み取りには更新時に設定した4桁と8桁の暗証番号が必要だが、多くの人が8桁の番号を覚えていない実情も話題になった。 ## この回の要点 - 2026年1〜8月の物価高倒産は762件で前年比147件増。価格転嫁できない構造的問題が背景にあり、年間1000件超えが見込まれる。 - 韓国の兵役免除はオリンピックのメダルやアジア大会の金メダルが対象で、e-sportsや芸術分野も含まれるが、3週間の基礎訓練と18ヶ月の活動継続・544時間の公益活動が義務として残る。 - 金融庁が運転免許証のICチップ読み取りへの切り替えを前倒しで要請。チップは2007年から搭載で現保有者全員に内蔵されているが、読み取りに必要な8桁の暗証番号を忘れている人が多い。