# 石田英司「『仏が燃えている』トランプ氏、移民規制強化を要求」「東京都、23区に小規模火葬場新設を検討」「米で『ウーバー』配達ロボの進路をふさいだ女性を逮捕」10月21日 - Show: 上泉雄一のええなぁ! - Published: 2026-10-20 - Canonical: https://podc.club/episode/1588682529_ea7db6dd6c2c.html - Audio: https://traffic.megaphone.fm/MBSINC2003024794.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 トランプ大統領がフランスの抗議デモをTruth Socialで「移民のせい」と断言したが、石田英司氏は財政緊縮と物価高(ガソリン1リットル390円)こそが真因だと解説する。あわせて東京23区で民間1社が火葬場を独占し2週間待ちも生じた「2035年問題」、さらに米フィラデルフィアでUber配達ロボットの進路を体で塞いだペンシルベニア大学名誉教授の逮捕と日本での配達ロボット法整備を取り上げる。 ## この回が答えていること ### フランスで55万人規模のデモと暴動が起きている本当の原因は何か? 発端は劣悪な公立高校環境に怒った高校生のデモで、根本は財政緊縮による予算不足と物価高にある。ガソリン1リットル390円という高騰が生活を直撃しており、2018年の黄色いベスト運動と合流して55万人規模に膨らんだ。SNSには略奪・放火の映像が切り取られ拡散するが、それは全体のごく一部にすぎない。 ### トランプ大統領がフランスの混乱を「移民のせい」と訴える狙いは何か? 石田氏は「自身の訴追問題から争点をそらし移民・国境管理に誘導したい思惑がある」と指摘する。来年4月の仏大統領選で極右ルペン氏が有力となる中、暴動映像を利用した世論誘導の側面が強く、フランス人口の約2〜3割を占める移民ルーツの人々への責任転嫁につながっていると分析する。 ### 東京23区の火葬場不足が2035年に深刻化すると言われる理由は? 現在76〜79歳の団塊世代が最多死亡年齢帯(85〜89歳)に達する2035年ごろ火葬需要が急増すると予測されている。日本は2022年に年間死亡者数が150万人を超え多死社会に突入しており、昨年1月には日野市で2週間以上の待機が発生するなど、施設整備が間に合っていない。 ### 東京で民営火葬場の料金が公営の倍近くになっている構造的背景は? 歴史的経緯から民営が主体となった23区では、9か所中6か所を1社が独占。民営は約8万7千円、公営の最上位グレードは約4万4千円と4万円以上の差がある。民営は設備修繕費を自前で賄う必要があるためとされ、一定の理屈はあるが需要過多で利用者に選択の余地はほぼない。 ### 米国で配達ロボットの進路を塞いだ女性が逮捕され、日本の状況はどうなっているか? ペンシルベニア大学名誉教授が9月に続いてUber配達ロボットの前に立ちはだかる行為を繰り返したため、公共秩序を乱した疑いで逮捕された。日本では2023年4月施行の法律で最高時速6キロ以下の「遠隔操作型小型車」が歩道走行可能となり、歩行者優先・オペレーターが安全義務を負う仕組みで東京の一部では実用化が始まっている。 ## 本文 ## フランス暴動の本当の原因――物価高と財政の逼迫 トランプ大統領は10月18日、自身のSNS「Truth Social」に「フランスが燃えている。全く異なる世界から来た、心に憎しみを抱く人々の移住が、かつて偉大だったあの国を打ち砕いた」と投稿し、フランスに移民規制の強化を求めた。しかし石田氏は「移民問題にすり替えたいトランプの思惑がある。根本原因は違う」と指摘する。 デモの発端は公立高校に通う高校生たちだった。壁は崩れ、ネズミが走り回り、トイレは故障し教師も不足。行政が修繕予算を出せないのは財政の逼迫が原因で、「なんとかしてくれ」という高校生の声がデモに火をつけた。そこに物価高への不満が合流した。ガソリンは1リットル390円、ディーゼルはそれ以上。充実した高齢者年金を燃料税で賄う構造が価格を押し上げており、2018年に郊外の低所得層が立ち上げた「黄色いベスト運動」の再来を呼びかける動きとも合流して55万人規模に膨らんだ。略奪・放火の映像がSNSで切り取られ拡散するが、石田氏は「それはほんの一部。再生数目当ての切り取りが世界全体がそうだという印象を作り出している」と強調する。 ## フランスはギリシャの次か――ユーロの制約と破綻リスク 石田氏が最も強調するのはフランスの財政問題だ。ユーロ圏にはGDP比の債務上限ルールがあるが、超えているのはフランスだけ。しかも自国通貨を持たないため、最終的に円を刷って対応できる日本と異なり、緊縮財政しか選択肢がない。日本の国債はほぼ国内(日銀・生保・年金など)が保有しているが、フランスはほとんどを外国が保有しており、構造的に脆弱だ。石田氏は「次にギリシャのようになるのはフランス」と断言する。来年4月の大統領選では極右のルペン氏が有力で、人口の約2〜3割を占める移民ルーツの人々への排斥論が高まる背景には、こうした経済的苦境がある。トランプ大統領については「今の支持率は30%程度で上下両院の過半数は取れないと思うが、自身の訴追を逃れることしか頭にない」と石田氏は見ている。 ## 東京の火葬場不足――2035年問題と民間独占の構造 特別区長会が23区内に5基程度の小規模公営火葬場を分散新設する方針を固めた。背景には「多死社会」の本格到来がある。2022年に年間死亡者数が150万人を超えた一方で出生数は70万人台に落ち込み、人口の自然減は年間80万人超に達している。現在76〜79歳の団塊世代が最多死亡年齢帯(85〜89歳)に達する2035年に火葬需要が急増すると見込まれる。昨年1月には日野市で2週間以上の待機が発生し、比較的火葬場が多いとされる大阪でも9日待ちの事例が出た。 東京の事情は特殊だ。23区にある9か所の火葬場のうち7か所が民営で、そのうち6か所を1社が独占している。民営の火葬料金は約8万7千円、公営の最上位グレードは約4万4千円で4万円以上の差がある。民営側は「設備修繕費を自前で賄う必要がある」と説明しており一定の理屈はあるが、需要過多で利用者に選択の余地はほぼない。この民間企業は上場持株会社の子会社で、その持株会社の大株主が中国系企業であることも議論を呼んでいる。「人の死をマネーゲームにするな」という批判もある一方、当の持株会社は注目を集めることを嫌いその株を手放したい意向があり、東京都が買い取る案も検討されているという。 ## 配達ロボットを体で止めた教授――日米の自律走行配達事情 アメリカ・ペンシルベニア州フィラデルフィアで、ペンシルベニア大学の名誉教授がUberの配達ロボットの前に立ちはだかり、公共秩序を乱した疑いで逮捕された。9月に続く繰り返しの妨害行為が逮捕の理由となった。教授は「配達員の仕事がロボットに奪われている」として表現の自由による抗議だと主張している。 日本でも2023年4月に「遠隔操作型小型車」に関する法律が施行され、最高時速6キロ以下で歩道走行が可能になった。人が来ればロボット側が回避しなければならない歩行者優先の原則で、遠隔オペレーターが複数台を監視しながら安全の義務を負う。石田氏は「大きなクーラーボックスにタイヤと月面探査機のようなセンサーがついたイメージ」と説明し、東京では一部で実用化が始まっていると紹介した。 ## この回の要点 - フランスの抗議デモの根本は移民問題ではなく財政緊縮と物価高にあり、石田氏は「フランスは次のギリシャになる」とユーロ制約と財政破綻リスクを警告する。 - 東京23区の火葬場は民間1社が6割超を独占し、団塊世代が死亡ピーク年齢に達する2035年に深刻な不足が見込まれる。昨年1月には2週間超の待機事例も生じた。 - 米国でロボット配達への抗議逮捕が起きた一方、日本でも2023年に法整備が整い歩道走行する配達ロボットが実用化段階に入っている。