石田英司「福岡県と県議会が第三者委を設置」「教員の在学中の奨学金、返還免除を検討」「犬猫の保護依頼が増加、その背景は?」9月23日
福岡県と県議会が、高額な海外視察やパーティー券購入などの疑惑を調べるため計3つの第三者委員会を設置、費用は2億2000万円にのぼる。文部科学省は教員向け奨学金返還免除制度の約30年ぶりの復活を検討中で、犬猫の保護依頼増加の背景には飼い主の高齢化がある。
この回が答えていること
福岡県と県議会はなぜ第三者委員会を3つも設置し、その調査費用はいくらなのか?
福岡県と県議会は、高額海外視察や政治資金パーティー券購入などの疑惑を調べるため第三者委員会を計3つ設置した。調査費用は合わせて2億2000万円、委員は弁護士23人で単純計算すると1人あたり約1000万円になる。
県が設置した2つの第三者委員会と、県議会が設置した第三者委員会はそれぞれ何を調べているのか?
県が設置した1つ目は、議長・副議長の政治資金パーティー券を県幹部の親睦会が肩代わり購入していなかったかを調べるもの。2つ目は2021年から26年にかけての海外視察の必要性を検証するもの。県議会が設置した3つ目は、議長ポストを巡る金銭のやり取りの疑惑を調べるものだ。
日本の第三者委員会はどのように始まり、どんな構造的な問題を抱えているのか?
第三者委員会はアメリカなど海外由来ではなく日本独自の仕組みで、1997年の山一証券経営破綻の際、簿外債務発覚をきっかけに作られたのが始まりとされる。最大の問題は、調べられる側の組織自身が調査費用を払い、委員の人選や調査範囲も実質的にその組織側が決めている構造にある点だ。
文部科学省が検討する教員向け奨学金返還免除制度とは何で、なぜ1998年に一度廃止されたのか?
国公立の小中高校などの教員が大学在学中に借りた奨学金について、15年以上勤務すれば全額免除、5年以上15年未満でも年数に応じ一部免除される制度で1953年開始。1998年廃止は、教員採用倍率が18倍前後のピークで「教員だけずるい」との批判や、進学率上昇で限られた奨学金の原資を必要な学生に回すべきという事情があったため。
犬や猫の保護依頼が増えている背景にはどのような事情があるのか?
犬猫の保護依頼が増える理由の1位は、飼い主の高齢化に伴う入院や死亡などで飼い続けられなくなったケース。2位は繁殖を制限できず頭数が増えすぎる多頭飼育崩壊だった。
福岡県、疑惑解明へ第三者委員会を3つ設置——費用2億2000万円
福岡県庁は9月17日、公式Xで、高額な海外視察や政治資金パーティー券の購入などを巡って揺れる福岡県と県議会が、疑惑を調べるための第三者委員会を設置したと発表した。県が2つ、県議会が1つの計3つで、調査費用は合わせて2億2000万円。委員は弁護士23人で、単純計算すると1人あたり約1000万円になる。県が設置した1つ目は、議長や副議長の政治資金パーティー券を県幹部の親睦会が肩代わりして購入していなかったかを調べるもの。2つ目は2021年から26年にかけて行われた海外視察の必要性を検証するもので、視察を巡っては県議側が記者会見で「海外旅行はやめません」と発言したことが話題になっていた。県議会が設置した3つ目は、議長ポストを巡って金銭のやり取りがあったのではないかという疑惑を調べるもので、番組ではボイスレコーダーに関するやり取りにも触れられた。
第三者委員会という仕組みの弱さ
第三者委員会はアメリカなど海外由来ではなく、実は日本独自のシステムだと石田氏は説明した。海外では社外取締役や監査委員会が中心となって調査し、弁護士は補助的に関わるにとどまるが、日本では会社側の人間を外し、外部の弁護士だけで委員会を構成して詳細な報告書をまとめる。始まりは1997年の山一証券の経営破綻とされ、簿外債務、つまり帳簿に載っていない借金が発覚して会社が破綻した際、当時まだ制度化されていなかった第三者委員会が作られたのが最初と言われている。そこから件数は急増し、直近では1年間だけで何百件もの第三者委員会が設置されているといい、フジテレビの事案なども身近な例として挙げられた。最大の問題は、調べられる側の組織自身が調査費用を払い、委員の人選も調査範囲も実質的にその組織側が決めている構造にあると石田氏は指摘した。
石田英司「本来は百条委員会を作るべきだ」
弁護士会が第三者委員会のガイドラインを作っているが、弁護士の数が急増し仕事の奪い合いになっている今、第三者委員会の仕事は弁護士にとって「バブル」だと石田氏は話した。その上で、今回の福岡県の疑惑、特に議長ポストを巡る金銭のやり取りについては、第三者委員会ではなく議会の百条委員会を作るべきだったという意見を述べた。第三者委員会には強制力がなく、嘘の証言をしても罰則がないのに対し、百条委員会は虚偽の陳述に罰則があるため、野党側もその設置を求めているという。来年の統一地方選挙を控え、福岡県議会だけでなく全国の自治体が同様の対応を注視されることになりそうだとした。
教員の奨学金返還免除、約30年ぶり復活を検討
文部科学省は、国公立の小中高校などで働く教員が大学在学中に借りた奨学金について、返還を免除する方向で検討に入った。実現すれば約30年ぶりの復活となる。制度は1953年に始まり、当初は小中学校教員のみが対象だったが、1965年には高校や幼稚園の教員にも適用が広がった。15年以上勤務すれば全額免除、5年以上15年未満でも年数に応じて一部免除される仕組みだった。大学進学率が低かった当時、教員になる大卒者を確保する狙いがあったが、1998年4月入学者からこの制度は廃止された。ちょうど中学校の教員採用倍率が18倍前後というピーク期で、「教員だけずるい」という批判や、進学率上昇で限られた奨学金の原資を必要な学生に回すべきだという事情があったという。廃止後も志願者数自体は減らなかった。現在、中学校教員の採用倍率は3.6倍程度まで下がっており、団塊世代の大量退職に伴う大量採用に加え、特別支援学級の増加、産休・育休取得の広がりなどが背景にある。中学校教員の48人に1人が1年以上の病気休暇を取得し、その大半が精神疾患によるものだという実態も紹介された。
犬猫の保護依頼が増加、背景に飼い主の高齢化
9月20日から26日の動物愛護週間に合わせ、ペットケア関連会社「犬猫生活」が保護依頼に関する調査結果を発表した。犬や猫の保護・譲渡を行う120の民間団体のうち半数が、この1年間で保護の依頼が増えたと回答し、1年間に保護を依頼された犬猫の数は8,718頭にのぼった。増加理由の1位は、飼い主の高齢化に伴う入院や死亡などで飼い続けられなくなったケース。2位は繁殖を制限できずに頭数が増えすぎる多頭飼育崩壊だった。あわせて、2024年度に自治体が引き取った犬猫の数は合わせて39,409頭にのぼることも紹介された。
この回の要点
- 福岡県と県議会は疑惑解明のため第三者委員会を3つ設置、費用は計2億2000万円で税金の使われ方に疑問の声が出ている。
- 日本の第三者委員会は調べられる側が費用も委員選定も実質担う構造的弱さがあり、石田氏は百条委員会の必要性を指摘した。
- 文科省は教員向け奨学金返還免除の約30年ぶり復活を検討中、犬猫の保護依頼増加の背景には飼い主の高齢化がある。
この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。