# 石田英司「データセンターの駅周辺建設計画に住民が反発」「仏スーパーでサイバー攻撃」「阪急電鉄が全車両の中吊り広告掲出終了へ」10月16日 - Show: 上泉雄一のええなぁ! - Published: 2026-10-15 - Canonical: https://podc.club/episode/1588682529_bc754476ae22.html - Audio: https://traffic.megaphone.fm/MBSINC2052460505.mp3 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 千葉県印西市で「データセンター銀座」と呼ばれる集積地の郊外用地が飽和し、駅前への建設計画が相次いで住民反対運動が全国に広がっている。フランスでは流通業者約400店舗の冷蔵庫がサイバー攻撃で最大80度に昇温し食材が全廃棄される被害が発生。阪急電鉄は2027年4月4日をもって全線の中吊り広告掲出を終了すると発表した。 ## この回が答えていること ### なぜ今、データセンターが郊外ではなく駅前に建設されるようになったのか? 郊外の適地が満杯になったため。印西市は地盤が硬く地震・津波に強く、大容量電力インフラと通信網が整備済みで東京に近い好条件が重なり集積が進んだが、郊外用地が飽和し高齢化で撤退したショッピングモールなど駅前の空き地しか残らなくなった。 ### データセンターが住民から嫌がられる具体的な理由は何か? 窓のない50メートル規模のコンクリートの塊が駅前に立ち並ぶ景観上の圧迫感、冷却・排気設備が発する低周波騒音、雇用がほぼ生まれず近隣飲食店への経済波及もないこと、周辺住民への事前説明不足が重なり、新たなNIMBY問題として各地に拡大している。 ### フランスのスーパーで起きたサイバー攻撃とはどのような内容だったか? 10月11日夜から12日未明にかけてフランスの流通業者約400店舗を標的にしたサイバー攻撃が発生。冷蔵・冷凍庫の制御システムに侵入して温度を最大80度に引き上げ、一部店舗で火災も発生した。冷蔵食品を全廃棄する甚大な財産的損害が生じ、欧州の流通業界では事実上初のケースとなった。 ### IoT機器へのサイバー攻撃への対策として何が有効か? ルーターとIoT機器のファームウェアを常に最新の状態に保ち、機器の初期パスワードを必ず変更することが基本。2021年のアメリカ浄水場への攻撃では職員が異常に気づいて被害を防いだように、人間が数値を目視監視する体制を残すことが最後の防衛線として有効だと指摘された。 ### 阪急電鉄が中吊り広告を廃止する理由は何か? 公式理由はスマートフォン普及による情報接触行動の変化。石田氏は人手不足も実質的な要因と指摘する。年間83万枚を1枚ずつ手作業で均等に取り付ける作業が限界を迎えており、廃止により年83万枚の紙資源削減も見込まれる。 ## 本文 ## 「データセンター銀座」印西市——郊外が満杯になって駅前へ 千葉県印西市は人口約11万人の東京のベッドタウンで、成田から約15キロに位置する。関東ローム層による硬い地盤で地震・津波に強く、大容量電力インフラと通信網がすでに整備されており、大手企業のデータセンターが集中する「データセンター銀座」として知られてきた。 データセンターは数万台のサーバーが365日24時間稼働する施設で、半導体を大量に使い膨大な電力を消費する。サーバーが発する熱を冷やすために水冷式が多く採用され、循環後に建物上部から蒸発させるため大量の水が失われ続ける。外壁には窓がほぼなく、冷却・排気設備が低周波音を発し続け、高さ約50メートルのコンクリートの塊が立ち並ぶ。 これまでは郊外の工業地帯や倉庫街に建てられてきたため大きな問題にならなかったが、印西市では郊外用地が飽和状態となり、高齢化で閉館したショッピングモール跡地など駅前にしか空き地がなくなってきた。隣の駅前でも同様の計画が浮上しており、住民反対運動が広がっている。同様の問題は東京の日野市・昭島市・小平市、埼玉の市街地でも起きている。 反対の理由は景観だけではない。データセンターは稼働後の雇用がほぼ発生せず、コンピューターは近隣の飲食店を利用しないため経済波及効果もほぼゼロだ。行政は固定資産税収入が増えるため歓迎するが、住民感情との乖離は大きい。「必要なのはわかるが、自分の家の近くには嫌だ」というNIMBY(Not In My Backyard)の典型例と言える。 法整備の遅れも問題を複雑にしている。建築確認申請上、データセンターは「事務所または倉庫」として扱われ、全国を一律に規制する法律はない。各地の反対運動に共通するのは「周辺住民への事前説明が不足していた」という点だ。 ## フランス400店舗の冷蔵庫が80度に——IoTを狙ったサイバー攻撃 10月11日の夜から12日の未明にかけて、フランスの流通業者約400店舗を標的にしたサイバー攻撃が発生した。スーパーマーケット内の冷蔵・冷凍庫の制御システムに侵入し、温度を摂氏50度、最大では80度まで引き上げた。一部の店舗では火災も発生し、変質した恐れのある冷蔵食品をすべて廃棄するなど甚大な財産的損害が生じた。ヨーロッパの流通業界では事実上初めてのサイバー攻撃ケースとされ、緊急点検が行われた。 被害拡大の要因として指摘されたのは、冷蔵庫の制御ファームウェアが古いまま放置されていた点だ。通常はネット経由で自動アップデートが行われるが、今回は旧型モデルで対応できず脆弱性が残ったままだったとみられる。金銭を要求する身代金要求や政治的な攻撃声明はなく、愉快犯の可能性が高いという。 番組では2021年のアメリカの浄水場への攻撃も紹介された。水処理過程で使用する水酸化ナトリウムを攻撃者が大量に注入しようとしたが、職員が異常に気づいて阻止した。人間が異常値を目視監視する体制を残すことが、デジタルセキュリティの最後の防衛線として有効だと指摘された。基本的な対策はルーターとファームウェアを常に最新に保ち、機器の初期パスワードを必ず変更することだ。 ## 阪急電鉄、中吊り広告を2027年4月に全廃 阪急電鉄は2027年4月4日をもって、全線の営業車両における中吊り広告の掲出を終了すると発表した。公式の理由は「スマートフォンなどの普及による情報接触行動の変化」で、廃止により年間約83万枚の紙資源削減が見込まれる。ドア横や窓上部の広告は継続される。 石田氏は人手不足も実質的な大きな要因と見ている。83万枚を1枚ずつ、傾きなく均等に手作業で取り付ける作業は熟練を要し、年83万回繰り返される相当な労力だ。スマホによる情報行動の変化とアナログ作業の担い手不足が重なり、廃止という判断につながったとみられる。 ## この回の要点 - 印西市では郊外のデータセンター用地が飽和し駅前への建設が進んでいるが、窓なし・雇用なし・騒音ありの施設は新たなNIMBY問題となっており、規制する法律も整備されていない。 - フランスで流通業者400店舗の冷蔵庫がサイバー攻撃で最大80度に昇温した事件は、古いファームウェアを放置したIoT機器の脆弱性が実害に直結することを示した。 - 阪急電鉄の中吊り広告廃止はスマホ普及だけでなく年83万回という膨大な手作業負担も背景にあり、情報メディアとアナログ労働の両面での転換点を象徴している。