# #288 怪談説法 三木大雲さん(中編) - Show: 島田秀平とオカルトさん! - Published: 2026-10-09 - Canonical: https://podc.club/episode/1561323848_70b06418cad5.html - Audio: https://traffic.omny.fm/d/clips/67122501-9b17-4d77-84bd-a93d00dc791e/4ecf53f4-b9e7-4199-b6b7-acf6005ae634/506d558e-ea00-426d-b164-b4dd00b122d6/audio.mp3?utm_source=Podcast&in_playlist=7804a73c-2d1a-4e19-b7f0-acf6005b8557 - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 仏教説話家・三木大雲住職が「怪談説法」を始めたきっかけ——夜の京都で暴走族に声をかけ、「自分はお化けだ」と語った少年との出会い——を明かす。さらにリスナー投稿として、沖縄・ニャティアガマ洞窟での花の香り体験と14年越しの縁、墓じまいと先祖供養の仏教的考え方、そして京都の町家の天井から洋人形が現れた切ない怪談が語られる。 ## この回が答えていること ### 三木大雲さんが怪談説法を始めたきっかけは何か? 夜の京都で法を説く相手を探して街を歩いていた三木さんが「天上天下唯我独尊」の刺繍入りジャンパーの暴走族約20人に声をかけ、本屋で出会ったがん患者の霊の体験談を披露したのが始まり。「自分はお化けだ」と名乗り出た少年(酔い続ける父・夜働く母に無視され家の中で存在を認められなかった)に「見えないものへの供養の意味」を語ったことで怪談説法の原型が生まれた。 ### 霊的な存在は匂いで感じ取れるのか、良い霊と悪い霊で匂いは違うのか? 三木さんによると、亡くなった人は「香食(こうじき)」といって香りを食べるとされ、十分な供養を受けている霊は白檀のような良い匂い、供養が届いていない霊は腐敗臭に近い匂いになるという。腐敗臭がした際はお線香をあげて供養するよう勧めた。 ### 墓じまいをしても先祖はお盆に帰ってこられるのか? お墓がなくても帰ってこられる。お盆に戻る「施餓鬼(せがき)」の存在は、お墓の有無とは関係ない。お墓は仏教的に「塔(スツーパ)」であり、心の中にも建てられるため、墓じまいをしても手を合わせる気持ちがあれば供養は成立すると三木さんは説いた。 ### 沖縄・ニャティアガマ洞窟でリスナーが体験した不思議な出来事とは? 父と息子の沖縄旅行でニャティアガマ洞窟を出た際、父だけに花のような心地よい香りがした。戦時中に多くの女性・子どもが隠れ感染症で命を落とした場所で、14年前に妻が力石(ニビル石)を持ち上げ、体が弱く子どもを授かりにくいと言われていた妻がその年の12月に息子を出産したという思い出の地でもあった。 ### 京都の町家の天井から出てきた洋人形には、どんな背景があったのか? 天井から束になった湿った金髪が垂れ下がり、夜に水滴が顔に落ちてきた。屋根裏を確認すると金髪の洋人形が天井板の隙間に挟まっていた。前の住人だった高齢女性が我が子のように可愛がり、ベビーカーに乗せて買い物に行くほど大切にした人形で、女性の入院・死後に行方不明になっていたもの。隣人は「あれは涙よ」と語り、男性は三木さんの寺でお焚き上げをした。 ## 本文 ## 怪談説法の原点——暴走族との出会い 三木大雲さんが怪談説法を始めたのは、夜の街を練り歩いて法を説く相手を探していた頃のことだ。ある夜、「天上天下唯我独尊」と刺繍されたジャンパーを着た10代の若者約20人に声をかけた。上等系の暴走族グループだったが、三木さんは「お坊さんの怪談が最強」と考え、体験談を語り始めた。 披露したのは本屋での出来事だ。三木さんはがんの匂いを感じ取る嗅覚を持ち、雑誌コーナーにいた男性に「体からがんの匂いがする」と声をかけた。検査代を出すとまで申し出ると、男性は「ありがとう。本当のことを言うと、私は去年の12月8日に死んでいます」と言ってふっと消えた。 この話を聞いた若者たちが沸き立つ中、一人が「そのお化け、僕です」と手を挙げた。実は生きている人間だが、24時間酔い続ける父からは「行ってらっしゃい」も「お帰り」も言ってもらったことがなく、夜働く母とも会話がない。机の上に置かれたお金で毎食ひとりで済ませる日々だった。「家の中で誰にも見えていない、まさにお化けなんです」という言葉を受け、三木さんは「亡くなった人が見えないからこそ、皆でお墓参りに行き、見えないものに感謝する意味がある」と説法した。その後、若者たちは京都各地の寺の掃除を手伝うようになり、これが怪談説法の始まりとなった。 ## 霊と匂い——嗅覚で感じる霊的気配 リスナー(ラジオネーム:両手ますかけのチチ)から、沖縄旅行中の体験が届いた。40代の父が14歳の息子と沖縄・ニャティアガマを訪れた際、洞窟から出た帰り際に父だけが花のような心地よい香りを感じた。息子には全く匂わなかった。ニャティアガマは太平洋戦争中に女性や子どもが米軍の攻撃から逃れて隠れ、感染症で多くの命が失われた場所だ。 さらにリスナーには14年前の縁があった。当時、妻と2人でこの地を訪れた際に、妻が洞窟内の「力石(ニビル石)」を持ち上げた。体が弱く子どもを授かりにくいと言われていた妻が、その年の12月に息子を出産したという。今回はその息子と14年ぶりに同じ場所を踏んだ旅だった。 三木さんによると、仏教では亡くなった人は「香食(こうじき)」といって香りを食べるとされる。十分な供養を受けている霊は白檀のような良い匂いをまとい、供養が届いていない霊は腐敗臭に近い匂いになるという。腐敗臭を感じたときはお線香をあげて供養することを勧めた。 ## 墓じまいとお盆——供養の本質は「塔を建てること」 リスナー(ラジオネーム:大山小魚ラブ)から「墓じまいをするとご先祖様はどうやって帰ってくるのか」という疑問が届いた。三木さんはお盆の仕組みを「施餓鬼(せがき)」から説明した。お盆に帰ってくるのは執着を持って亡くなり「餓鬼界」に落ちた存在で、その世界では水を飲もうとすれば火に変わり、食べ物も火になるという苦の世界だ。餓鬼界の存在は身長約30センチとされ、施餓鬼棚のお供えを低い位置に置くのはそのためだという。 お墓についても考え方が示された。仏教的にお墓は「家」ではなく「塔」だ。インド語の「スツーパ」が卒塔婆(そとば)の語源であり、塔を建てて供養することが仏教で最高の供養とされる。そして塔は心の中にも建てることができる。墓じまいをしても、故人を思い手を合わせる気持ちがあれば、それが供養になると三木さんは語った。 ## 京都の町家に潜んでいた洋人形——切ない怪談 三木さんが語った怪談の主人公は、憧れの京都・町家を購入した男性だ。住み始めてしばらくすると、夜中にポタポタという音とともに顔に水滴が落ちてくるようになった。翌朝、天井を見ると細い毛のようなものが垂れ下がっていた。数日後に引っ張ると、湿った毛が30センチほどの束になって出てきた。 屋根裏に上がると、金髪の洋人形が天井板の隙間に挟まって横たわっていた。隣人に相談すると、前の住人だった高齢女性がその人形を我が子のように可愛がり、ベビーカーに乗せて一緒に買い物に出かけるほどだったという。女性は入院後、隣人に「人形を持ってきて」と頼んだが、かなわないまま亡くなった。隣人は「夜になると子どもの泣き声や走る音がしていた」と明かし、「髪の毛が濡れていたのは涙ですよ」と語った。男性は人形を三木さんの寺に持参し、お経をあげてもらったうえでお焚き上げを行った。三木さんはこのエピソードを「日本人は古いものに魂が宿ると感じる八百万の神の感覚を持っている」という言葉で締めくくった。 ## この回の要点 - 三木大雲さんの怪談説法は、夜の京都で暴走族の少年から「家族に存在を無視され、自分はお化け同然だ」と打ち明けられた体験を原点として生まれた。 - 仏教では亡くなった人は香りを食べるとされ、十分な供養を受けた霊は白檀のような良い匂い、供養が届かない霊は腐敗臭をまとうと三木さんは説く。 - お墓は仏教的に「塔(スツーパ)」であり、心の中にも建てられる。墓じまいをしても手を合わせる気持ちがあれば供養は成立する。