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2026年  10月23日(金)コメンテーター:神保謙、永濱利廣

2026-10-23 · 1時間9分 · 3分で読める

2026年10月23日放送回では、世界中のウェブサービスを直撃したPHP脆弱性の経済・安全保障への影響、日銀が10月会合で事実上のデフレ脱却認定を示す可能性、そしてパリで極左勢力が加わり広域化するデモの政治的背景を掘り下げた。高市政権発足1年の経済政策の成果と課題についても論じられた。

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この回が答えていること

  • PHP脆弱性は経済・サイバー安全保障にどのような打撃を与えているか?

    AI関連株を中心に株価が急落し「PHPショック」と呼ばれる事態に。エージェント化されたAIが自動で脆弱性を発見・侵入し、情報漏洩が毎日のように発生。10月から強化した政府の能動的サイバー防御体制も追いつかず、インフラ障害へ波及する恐れもあると神保謙氏が危機感を示した。

  • 日銀は10月の金融政策決定会合でどのような判断を下す見通しで、何が焦点になるか?

    政策金利を1.25%に据え置く見込みだが、今会合で「物価上昇率が事実上2%に到達」との認識が示される可能性がある。実質的なデフレ脱却宣言となれば、安倍政権以降の政府・日銀間の政策協定(アコード)の組み直し論議が浮上し、上田総裁の会見での発言が市場の焦点となる。

  • 神奈川県警による運転免許証の顔写真無断収集の何が問題なのか?

    免許更新時に廃棄するはずの古い免許証の顔写真等を、内規に反して裁断せず警備課に渡し続けていたことが判明。個人情報保護法に抵触する可能性が高く、警察庁は他の都道府県警でも同様の取り扱いがないか一斉調査を開始した。

  • パリのデモはなぜ広域化し、来年の大統領選とどう関係しているか?

    9月の高校生による教育抗議が発端だが、覆面の極左活動家集団「ブラックブロック」が加わりシャンゼリゼ通りなど広範囲で破壊・略奪が発生。極左野党「不服従のフランス」が組織的に高校生を煽り、ルペン氏が支持率首位に立つ来年の大統領選を前に左翼勢力が結集している。

  • 高市政権発足1年の経済政策の成果と課題は何か?

    2040年までに17分野で370兆円の投資計画を策定し、経済安全保障を軸に新産業政策を構築したことが成果。実質賃金は年明けからプラスを維持し株価も上昇。課題は「責任ある積極財政」についてのマーケットへのコミュニケーションが後手に回った点と永濱氏は指摘した。

PHPショック——株急落とサイバー安全保障の危機

この日の朝刊各紙が一面で報じたのは、世界で広く使われるプログラミング言語PHPの重大な脆弱性問題だった。朝日新聞「国内外でサイト停止」、読売新聞「複数省庁・企業 脆弱性修正急ぐ」、産経新聞「企業・政府サービス停止」、東京新聞「サービス停止相次ぐ」と各紙が大きく展開した。

永濱利廣氏(第一生命経済研究所主席エコノミスト)は「PHPショック」と称し、前日の日経平均がAI関連株を中心に大幅下落し円高も進んだと指摘。神保謙氏(慶応義塾大学教授)は、国家サイバー統括室のサイバーセキュリティ協議会委員の立場から、10月から日本政府が能動的サイバー防御体制を強化したばかりであるにもかかわらず、エージェント化されたAIが自動で脆弱性を次々と発見し、企業・組織への侵入と情報漏洩が毎日のように起きている現状を説明。「パッチを当てるスピードが追いつかない」状態が続いており、ネットワークやサーバーの乗っ取りが電力・通信などインフラ障害にまで波及する恐れがあると強調した。

神奈川県警・免許証顔写真の無断収集

毎日新聞が報じた問題では、神奈川県警が免許更新時に返却不要とした古い免許証を廃棄せず、顔写真などの個人情報を警備課に渡し続けていたことが判明した。内規では裁断処理すると定めていたにもかかわらず、約30年にわたり常態化していたとみられる。神保氏は「廃棄すべき個人情報が残っているケースが各所に多い」と指摘し、企業・組織の個人情報管理の見直しを求めた。警察庁は他の都道府県警についても一斉調査を開始した。

日銀10月会合——「デフレ脱却宣言」が焦点に

日本経済新聞の報道によると、日銀は10月29・30日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%に据え置く方針。9月に利上げを決めたばかりで影響を見極める判断とみられる。

永濱氏が最大の注目点と位置づけたのは、今会合で「物価上昇率が事実上2%に到達した」との認識が示される可能性だ。そうなれば安倍政権以降に政府・日銀間で結ばれたデフレ脱却に向けた「アコード(政策協定)」の組み直し論議が避けられなくなる。一方で高市政権はまだ政府としてのデフレ脱却宣言を明確にしておらず、上田総裁の会見での発言が市場の最大の焦点となる。

インフレの内訳について永濱氏は、ディマンドプル(需要主導)とコストプッシュ(コスト主導)が混在しており、食料品価格の上昇がインフレ率の約半分を占めてきたと解説。「みんなが食べ物をたくさん買って上がっているわけではない」とコスト要因が主体であることを示し、政府による脱却宣言には慎重な姿勢が続くとの見方を示した。なおイラン情勢緊迫化による原油価格上昇もあり、政府内で準備していた宣言は一旦棚上げになっているという。

パリ大規模デモ——極左結集と大統領選の影

産経新聞パリ支局長の三井美奈氏が現地から報告。9月にパリ郊外サン=ドニの高校生が学校教育に抗議したことが発端のデモが、シャンゼリゼ通りや共和国広場など広範囲に拡大し、ディオールの店舗や銀行などへの破壊・略奪が相次いだ。三井氏は「以前の暴動とは違う」と述べ、黒い覆面の左翼活動家集団「ブラックブロック」が今回は大量に参加し、資本主義の象徴とされる場所を組織的に狙っていると分析した。

背景には極左野党「不服従のフランス」の存在がある。春の地方選で移民が多いパリ郊外を中心に躍進した同党の議員や市長がデモ現場に乗り込み、高校生たちを支援した。来年の大統領選では国民連合のルペン氏が支持率首位に立ちつつある中、左翼勢力が危機感を強め結集している。翌日曜のルペン陣営の決起集会前に再度大規模デモが計画されるなど、政治的緊張はさらに高まる見通しだ。経済面では、フランスの長期金利が急上昇し国債格下げ懸念が浮上。永濱氏は「格下げされると日本よりも格付けが悪くなる」とし、相対的に日本国債が買われる動きも出ていると指摘した。

高市政権1年——経済安保370兆円計画と積み残した課題

高市政権は今週水曜に発足1年を迎えた。永濱氏は「経済安全保障を重視した新産業政策を打ち出したことが最大の成果」と評価し、2040年までに17分野で370兆円を投じる計画を策定したことを挙げた。労働市場改革やスタートアップ支援などの横断的課題にも取り組み、実質賃金は年明けからプラスを維持、生成AIブームの追い風も受けて株価も上昇した。一方で課題として「責任ある積極財政」についてのマーケットへのコミュニケーションが後手に回ったと指摘した。神保氏はトランプ政権のアメリカ第一主義への対応が外交安全保障の核心であると述べ、詳論は7時台に持ち越された。

この回の要点

  • PHPの重大脆弱性でAI関連株が急落し「PHPショック」が発生。エージェントAIによる自動攻撃が急増し、政府の能動的サイバー防御体制も追いつかない状態が続いている。
  • 日銀が10月会合で事実上の「物価2%到達」を認定する可能性があり、政府・日銀の政策協定(アコード)の組み直し論議が浮上。上田総裁の会見発言が最大の焦点となる。
  • パリのデモに極左「ブラックブロック」が合流し広域化。来年の仏大統領選を前にした左右の対立激化でフランス国債の格下げ懸念も高まっている。

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この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。正確な内容は本編をお聴きください。