# 2026年  10月23日(金)コメンテーター:神保謙、永濱利廣 - Show: 飯田浩司のOK! Cozy up! Podcast【最新回のみ】 - Published: 2026-10-25 - Canonical: https://podc.club/episode/1366187377_77421e88525f.html - Audio: https://traffic.omny.fm/d/clips/67122501-9b17-4d77-84bd-a93d00dc791e/3c31cad9-230a-4a5f-b487-a9de001adcdd/8ad234f5-4881-43fb-b296-b4ee00a788d4/audio.mp3?utm_source=Podcast&in_playlist=47a5ec59-4c22-496d-b71d-b2a4001ebd5d - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 2026年10月23日放送。プログラミング言語PHPの重大脆弱性が各紙一面を飾る中、エージェント型AIが自動で企業へ侵入し続ける実態を国家サイバー統括室委員の神保謙氏が解説。日銀が10月の追加利上げを見送り、事実上のデフレ脱却認識を示す可能性が浮上する局面を永濱利廣氏が分析した。パリで拡大する左翼主導の暴動と高市政権発足1年の評価も取り上げた。 ## この回が答えていること ### PHPの重大脆弱性問題はサイバーセキュリティ・経済面にどのような影響をもたらしているか? エージェント化されたAIが自動で脆弱性を次々と発見し企業・組織へ侵入、数万〜数百万件規模の個人情報漏洩が毎日発生している。パッチを当てるスピードが追いつかず、日経平均はAI関連株中心に下落し円高も進行した。フィジカルなインフラへの波及リスクも指摘された。 ### 日銀が10月の会合で利上げを見送る見通しの中、なぜデフレ脱却宣言が焦点になるのか? 9月に利上げしたばかりで今回は据え置き(1.25%)が規定路線。ただし今回は物価上昇率が事実上2%到達との認識を示す可能性があり、そうなれば安倍政権以来続く政府・日銀のアコード(政策協定)の組み直し議論が生じ、デフレ脱却宣言を政府が出すかどうかが焦点になる。 ### パリで拡大している暴動の背景と、過去の暴動との違いは何か? 9月にパリ近郊の高校生が教育政策に抗議したことが発端。極左野党「不服従のフランス」の議員・市長が移民の多い郊外の高校生運動を支援し、ブラックブロック(黒い覆面の左翼活動家)が都市中心部に入り込んでディオール店舗や銀行を標的にした。過去の移民若者による郊外暴動とは異なる都市型・政治的動員の色合いが強い。 ### 神奈川県警による運転免許証の顔写真流用問題はどのようなものか? 免許更新の際に廃棄するはずだった古い免許証の顔写真などの個人情報を、30年前から警備課に渡していたことが発覚。個人情報保護法に抵触する可能性が高く、警察庁が全国の都道府県警に対して一斉調査を開始した。 ### 高市政権発足1年の経済政策の成果と残された課題は何か? 経済安全保障を重視した17分野・10年間370兆円(2040年まで)の新産業政策策定と、年明けから実質賃金がプラスを維持していることが成果。課題は「責任ある積極財政」をめぐるマーケットへのコミュニケーションが後手に回った点と永濱氏が指摘した。 ## 本文 ## PHPの重大脆弱性——AI自動攻撃がパッチ対応を圧倒 朝日・読売・産経・東京の各紙が一面で報じたのは、世界で広く使われるプログラミング言語PHPに重大な脆弱性が見つかった問題だ。複数の省庁や企業がサービスを停止し、「PHPショック」とも呼ばれる状況が生じている。永濱利廣氏は「日経平均株価がAI関連株を中心に下落し、円高も進んでいる」と経済的影響を指摘した。 国家サイバー統括室サイバーセキュリティ協議会の委員でもある神保謙氏は、10月から能動的サイバー防御の体制を強化した矢先に、エージェント化されたAIが自動で脆弱性を次々と発見し、多くの企業・組織に侵入している実態を説明した。「パッチを当てるスピードが全く追いつかない。数万件・数百万件規模の個人情報漏洩が毎日のように発生している」と述べ、ネットワークやサーバーの乗っ取りからインフラへの波及リスクも警戒すべきだと強調した。セキュリティ関連企業への需要が急拡大するとの見方も出た。 ## 神奈川県警による運転免許証の顔写真無断流用 毎日新聞が報じた問題として、神奈川県警が免許更新の際に廃棄するはずだった古い免許証の顔写真などの個人情報を、30年前から警備課に渡し続けていた慣行が取り上げられた。個人情報保護法に抵触する可能性が高いとして、警察庁が他の都道府県警を対象に一斉調査を開始した。 神保氏は「廃棄すべき個人情報が廃棄されずに残っているケースが多い。各企業・組織でしっかりチェックしてほしい」と述べた。永濱氏は「10年前に登録した個人情報がなぜ漏れるのかと思っている人は多いはず」とし、都道府県警によって運用が異なる実態を問題視した。なお、穴を開けて古い免許証を返す都道府県もあれば、神奈川のように回収するケースもあるという。 ## 日銀、10月利上げ見送りへ——デフレ脱却宣言が次の焦点 日本経済新聞の報道によると、日銀は10月29〜30日の金融政策決定会合で政策金利を1.25%に据え置く方針だ。9月の会合で利上げを決めたばかりで、その影響を見極める。 永濱氏は「利上げ見送りは規定路線」としつつ、「今回の最大の注目点は、物価上昇率が事実上2%に到達したとの認識を日銀が示すかどうか」と述べた。そうなれば事実上のデフレ脱却認識となるが、高市政権はまだ明確なデフレ脱却宣言を出しておらず、安倍政権以来続く政府・日銀のアコード(政策協定)を組み直すかどうかの議論が生じると指摘した。上田総裁の会見での発言にも注目が集まる。 神保氏は物価上昇の中身について、需要拡大によるディマンドプル型とコスト増によるコストプッシュ型が混在していると分析した。日本のインフレ率の約半分は食料品の値上がりで構成されており、需要増ではなくコストプッシュの要素が大きいと説明。政府が「デフレ脱却」と明言しにくかった背景もそこにあると述べた。なお、イラン情勢緊迫化前に水面下でデフレ脱却宣言の準備を進めていたとも神保氏は言及したが、その後の情勢変化でいったん棚上げになっているという。 ## パリ暴動——ブラックブロックと極左野党が主導する都市型衝突 産経新聞パリ支局長の三井美奈氏が現地(現地時間深夜)からリポートした。シャンゼリゼ通りや共和国広場など広範囲に暴動が広がっており、過去の暴動とは異なる様相を呈しているという。 「2年前や今年6月の暴動は郊外に住む移民の若者たちが暴れたという感じだったが、今回は黒い覆面のブラックブロック(左翼活動家)が都市の中心部に入り込み、ディオールの店舗や銀行など資本主義の象徴を狙っている」と三井氏は説明した。9月にパリ郊外サンドニの高校生が教育政策への抗議を始めたことが発端で、極左野党「不服従のフランス」の議員や市長が高校生たちを支援し、春の地方選でこの政党が勝利した地盤(移民が多い郊外)と連動する形で拡大した。 2027年大統領選では国民連合のルペン氏が首位、不服従のフランスのメランション氏が2位の構図となっており、左翼勢力にとって「今こそ立ち上がる機を逃すな」という動機につながっていると分析した。また、今週末には国民連合の決起集会に対抗する形で左翼側も大規模デモを計画しており、緊張が続く見通し。 永濱氏はフランスの長期金利急上昇を受け「このまま国債が格下げされれば日本よりも格付けが悪化する可能性があり、相対的に日本国債が買われている」と述べ、日本の長期金利がやや低下傾向にあると指摘した。 ## 高市政権発足1年——産業政策は評価、マーケットとのコミュニケーションは課題 高市政権は今週水曜日に発足1年を迎えた。永濱氏は成果として、経済安全保障を重視した新産業政策(17分野・2040年までに370兆円規模の投資計画)と8分野の横断的課題(労働市場改革・スタートアップ支援・規制改革など)を打ち出した点を挙げた。実質賃金が年明けからプラスを維持し、株価も上昇していることも評価した。一方で、「責任ある積極財政」をめぐるマーケットへのコミュニケーションが後手に回った点を今後の課題として指摘した。 神保氏は外交安全保障について、トランプ政権が進めるラディカルなアメリカ第一主義とどう付き合うかが日本外交の核心になっているとして、詳細は7時台に持ち越した。 ## この回の要点 - エージェント型AIが脆弱性を自動探索・侵入し、パッチ対応が追いつかない「PHPショック」が株安・円高を招いている。 - 日銀が物価2%到達の認識を示せば、政府・日銀アコードの組み直しとデフレ脱却宣言の是非が政治・マーケットの焦点になる。 - パリ暴動は大統領選を見据えた極左野党「不服従のフランス」とブラックブロックの連動で都市型化し、フランス国債格下げリスクも浮上している。