# 2026年10月2日(金)コメンテーター:飯田泰之 - Show: 飯田浩司のOK! Cozy up! Podcast【最新回のみ】 - Published: 2026-10-02 - Canonical: https://podc.club/episode/1366187377_1e61ec199205.html - Audio: https://traffic.omny.fm/d/clips/67122501-9b17-4d77-84bd-a93d00dc791e/3c31cad9-230a-4a5f-b487-a9de001adcdd/04b5d0f5-80fa-4cba-8d8a-b4d6017bb794/audio.mp3?utm_source=Podcast&in_playlist=47a5ec59-4c22-496d-b71d-b2a4001ebd5d - Source: この記事は、配信音声の冒頭30分ぶんを機械で文字起こしし、それをもとに編集したものです。番組の公式な要約ではありません。 2026年10月2日放送回では、明治大学教授・飯田泰之氏が3つの経済テーマを解説。大学3年前半から始まる就活の長期化が売り手市場でも続く構造的問題、6四半期連続改善を記録した9月日銀短観の読み方と企業の物価先行き予想の鈍化、そして変動・固定ともに上昇を続ける住宅ローン金利が人口動態と相まって住宅市場を冷やすリスクについて論じた。 ## この回が答えていること ### 2026年卒の就職内定率はどれくらいで、売り手市場なのに就活が長期化しているのはなぜか? 8月末時点の就職内定率は85.6%で、飯田氏が入社した2003年の60.2%から大幅改善。それでも就職氷河期時代に形成された慣行が残り、大学3年前半からインターンが始まる長期化が続く。10月1日(平日)の内定式も「学校を休め」に等しいと指摘された。 ### 9月の日銀短観は大企業製造業の業況をどう示し、どう読めばよいか? 大企業製造業の業況判断指数(DI)はプラス24で前回比2ポイント改善し、6四半期連続の改善。速報性の高さゆえ国際金融市場でも注目される。先行き見通しは毎回「悪化」予想だが実態は数四半期連続で「思ったより良かった」状態が続いている。 ### 住宅ローン金利の上昇は住宅市場にどんな影響を与えるか? 変動金利が1%台、フラット35が3.8%近くに上昇。飯田氏は主因を人口動態と分析。団塊ジュニア世代が50代に入り買い手層から抜け始め、構造的な需要減退に金利上昇が重なることで住宅ローン申請の減少や中古マンション価格の頭打ちが生じていると述べた。 ### フーシ派の台頭は原油価格・国内物価にどの程度の脅威となるか? 日本企業はコスト変動を物価に転嫁せず企業利益で吸収する構造(パススルー率が低い)があるため、原油価格の国内物価への直接影響は限定的と指摘。ただしフーシ派の戦力が予想以上に強く紅海ルートへの不安は払拭しきれないとも述べた。 ### 日銀の利上げ論についてコメンテーターはどう評価しているか? 飯田氏はメディアの利上げ一辺倒の報道を批判。企業の物価先行き予想が2.5%へ鈍化している中、設備投資やAI導入が急務な局面で金利を上げる根拠が薄いと論じた。9月会合の「主な意見」でも反対票が2票あったことを取り上げた。 ## 本文 ## 就活の長期化――売り手市場でも氷河期の慣行が残る 2026年卒の8月末時点の就職内定率は85.6%。飯田泰之氏が入社した2003年は60.2%だったと対比しながら、2014年以降は採用環境が一貫して改善してきたと述べた。しかし売り手市場が定着した今も、就職活動の長期化という氷河期時代の慣行が続いている。大学3年の前半からインターンシップや就活準備が始まり、ゼミで専門を本格的に学べる3年後期が実質的に就活に割かれる状況だ。 飯田氏は「10月1日の内定式が平日というのがそもそもおかしい」と指摘。学校を休ませていることになると批判した。さらに転職が一般化した現在、新卒採用にここまでのエネルギーを注ぐことは企業・学生双方に非効率だとも述べた。AIの普及で3年後に求められるスキルが大きく変わることを見据え、就活のあり方を抜本的に見直す必要があると論じた。 ## 9月日銀短観――6四半期連続改善、ただし物価見通しは鈍化 日銀が10月1日に発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)では、大企業製造業の業況判断指数(DI)がプラス24と、6月調査から2ポイント改善し、6四半期連続の改善を記録した。DIは「良い」から「悪い」を引いた数値で、プラスは好況感が優勢であることを示す。 飯田氏は短観が注目される最大の理由は速報性にあると解説。9月下旬の2週間で集めたアンケート結果が10月1日に出るため、景気動向をいち早くつかめる。先行き見通しは今回も「悪化」予想だったが、数四半期にわたって「思ったより良かった」が続いており、先行き予想が外れ続けている状況だと指摘した。注目すべき点として、今後1年間の物価見通しが2.5%と徐々に低下していることを挙げ、企業の物価上昇期待は落ち着いてきていると分析した。 ## 住宅ローン金利上昇と人口動態の重なり 変動金利が1%台に、固定金利(フラット35)が3.8%近くまで上昇していることが話題になった。飯田氏は「35年固定で4%近い金利は衝撃的」と述べながらも、住宅ローン申請減少の主因は金利ではなく人口動態だと分析した。 団塊ジュニア世代(1970年代前半生まれ、現在50代前半)が住宅購入の主要層から抜け始めている。60歳を超えれば35年ローンは事実上組めず、そこから35年後の収入保証もない。この構造的な需要減退に金利上昇が重なり、中古マンション価格の上昇にも頭打ちの兆しが見えるとした。都心部の価格が高すぎることも需要を抑える要因と付け加えた。 ## フーシ派・ホルムズ海峡と原油リスク 紅海(レッドシー)経由の原油輸送ルートで、フーシ派が予想以上の戦力を持ち情勢が緊迫していることが朝刊各紙で取り上げられた。サウジアラビアのパイプラインからホルムズ海峡を経て出荷するルートが世界の原油供給を支えているが、代替ルートである紅海経由も不安定化しているとの懸念だ。 飯田氏は、日本企業は原材料コストの変動を販売価格に転嫁しにくい構造(パススルー率が低い)を持つと解説。コスト変動は企業利益がバッファーとして吸収するため、雇用や物価は比較的安定する一方、企業利益の振れ幅は大きくなる。したがって原油高が即座に国内物価を押し上げるわけではないとした。 ## 日銀利上げ論への疑問 9月の金融政策決定会合の「主な意見」が公表され、多数が利上げ方向だった中で2人が反対したことが報じられた。飯田氏はメディアが利上げに一辺倒になっている状況を批判。企業の物価先行き予想が鈍化し、これからAI導入や設備投資を積極化すべき局面で金利を上げる根拠が薄いと述べた。上田総裁就任後の利上げの流れを振り返りながら、「なぜか利上げについてだけ各紙が一生懸命」と疑問を呈した。なお同日夜には米国9月雇用統計の発表が予定されており、為替市場ではドル円が158円台で推移。FRBはインフレ重視の姿勢のため、雇用が強くても10月の急激な利下げ期待が高まる可能性は低いとアナリストは分析した。 ## この回の要点 - 就職内定率は85.6%と過去最高水準だが、大学3年前半からインターンが始まる就活長期化は氷河期時代の慣行が売り手市場になっても是正されていない - 9月日銀短観は大企業製造業DIがプラス24で6四半期連続改善も、企業の物価先行き予想は2.5%へ低下し「利上げ急ぐ根拠が薄い」と経済学者は指摘 - 住宅ローン金利上昇と団塊ジュニア世代の市場退出が重なり、住宅需要の構造的縮小が始まっている